宮沢りえ『紙の月』濃密撮影の労いに「やったー！」

[シネママニエラ]女優の宮沢りえが８月２１日、主演映画『紙の月』の完成会見に出席し、同作への思いを赤裸々に語った。この日は、宮沢のほかに共演者の大島優子、小林聡美、原作者の角田光代、吉田大八監督も登壇した。

銀行で働く平凡な主婦から横領犯へと変貌していく衝撃的な主人公・梅澤梨花を演じた宮沢。「７年ぶりの主演ということに改めて驚いています。７年間サボっていたわけではなく（笑）、舞台中心に仕事をしていました。私はタイミングってすごく大事だと思っていて、映画もそろそろやりたいなと思っていたら、オファーをいただいたんです。すぐに「やる！」という感じではなく、今までにやったことのない役を始めるにはちょっと時間がかかりました。でも吉田監督と仕事がしたい、見たことのない自分を見てみたいと思って、受けました。案の定、見たことのない自分の顔があって衝撃でした（笑）。７年の間に溜めておいたものを出し切った作品です」

「（横領犯役は）今までにやったことのない役で戸惑いもありましたが、監督のリードで梨花という役の輪郭がはっきりしていって、楽しいだけではなく濃密な撮影になりました。あることがきっかけで物事が大きく動き出すことは誰にでもあること。狂気というタンクを満タンにしながら、梨花は悪に手を染めているのに真っ黒じゃないのが不思議なんですよね。共感するとしたら、到達点を脇目に見ながらまだまだ先に進む生命力、貪欲さですね。自分にもそういったものがある気がします」

初共演の小林聡美と対峙するシーンについて。「完全な順撮りではなかったのですが、このシーンは最後のほうに撮りました。梨花という役が染みついていて、そこだけが特別ではなかったです。ただ、小林さんとはいつか共演してみたいと思っていたので、本当はもっと和やかな間柄の役をやりたかったなと愚痴を言ったりしました（笑）」

そして原作者の角田さんが「凄い迫力で怖かったです。どんどん悪になっていくにつれ、反比例に透明な美しさが出てきて素晴らしかったです」と慰労の賛辞を贈ると、宮沢は無邪気に「やったー！」と歓喜の声を上げた。

映画『紙の月』は2014年11月15日より全国ロードショー！

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