撮影:Vanessa Lua
[シネママニエラ]いま大注目の英国俳優トム・ハーディがインタビューに応じ、「どんな映画でも苦労はつきもの」だとして撮影を振り返った。これまで4度の共演をはたした先輩俳優ゲイリー・オールドマンについても語った。
トム・ハーディ「どんな映画でも苦労はつきもの」
本作はベストセラー小説を基に、スターリン政権下のソ連で起きた、子どもを狙った連続殺人事件の捜査の行方を描くサスペンス作品。犯罪なき理想国家を掲げる政府は事件を葬った為、多くの犠牲が生じた。トム・ハーディが演じた主人公レオ・デミドフは国家に忠誠を誓っていたが、あることを機に彼は目の前の現実から目を背けることをやめる。
――ご出演の経緯をお聞かせください
トム・ハーディ:『The Drop』で共演後、ノオミと僕はまた一緒に仕事ができるプロジェクトを探していた。そんな時、ノオミが『チャイルド44 森に消えた子供たち』とダニエルのことを聞きつけてきてね。僕たちは話し合いの場を設けて、ノオミ・ラパスと僕と(監督の)ダニエル・エスピノーサ、そして(製作の)リドリー・スコットと企画について大いに語り合ったし、話し合っているうちに決まったんだ。僕たち全員にとって刺激的な経験になるだろうと感じられたから、企画を実行することにした。
――この企画の魅力はどこでしょう?
トム・ハーディ:2つある。まず、豊かなストーリー展開が気に入った。戦争の英雄で今はMGBで働く男がいる。彼は孤児から身を起こし、スターリン政権下のロシアで象徴的な存在になった。究極的には共産主義そのものの象徴だ。だがそれに裏切られる。親友の息子が殺されたことを否定するよう強要され、心から愛している女性ライーサ(ノオミ・ラパス)は自分のことを愛していないという事実を突きつけられる。愛する人たちから怪物のように見なされても、彼が生きている政治的環境の中では何もできない。そこが生きる場所であるばかりか、秘密警察の一員として、その体制の先導的役割を担う存在なんだよ。
それに、制作チームの顔ぶれ。(映画会社の)ライオンズゲートとは『ウォーリアー』で一緒に仕事をし、素晴らしい経験をさせてもらった。本当に楽しい撮影だったんだよ。ストーリーに関して言えば、『チャイルド44 森に消えた子供たち』はアクションも満載だが、歴史ドラマでもある。ソビエト連邦やスターリン政権下の共産主義という舞台背景もあるし、そんな状況で連続殺人事件の捜査が行われるのも面白い。キャラクターに導かれて展開する自然主義的なストーリーは、僕にとって身近だが刺激的な分野。夢のようなアンサンブルだ。
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――あなたが演じるMGB捜査官のレオ・デミドフについて教えてください
トム・ハーディ:僕にとって刺激的で興味深かったのは、レオが複雑な人物だという点。だが映画で演じる際にはシンプルにしなくてはいけない。まずシルエットを描いて、それから命を吹き込む。レオは太陽に近づきすぎたイカロスのような人物なんだよ。彼には悲劇的な側面がある。少年時代は親がいなくて何一つ、持っていなかった。そこからはい上がり、一度はすべてを手にするが、また何もかも失ってしまう。でも前に進むために人生を立て直そうとするという、分かりやすい軌道を描いている。>>つづく
アメリカ・イギリス・チェコ、ルーマニア映画/137分
原題=CHILD44(2015) IMDb
日本公開=2015年7月3日
配給=ギャガ
公式サイト http://child44.gaga.ne.jp/
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