[シネママニエラ]キャリー・ジョージ・フクナガ監督が来日し10月24日には、第28回東京国際映画祭パノラマ部門出品作『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の記者会見に、Netflixのグレッグ・ピーターズ代表取締役社長と登場した。
映画『闇の列車、光の旅』『ジェーン・エア』につぐ長編3作目は、西アフリカを舞台に内戦で家族を奪われた少年アグーがゲリラ兵士に変わりゆく姿を捉えたもの。監督自身の長年リサーチしており、ナイジェリア在住の作家ウゾディンマ・ワエラ著の書籍「 Beasts of No Nation 」をベースにしている。
主演の指揮官役には俳優のイドリス・エルバ、またアグーを新人のアブラハム・アッターが演じヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。Netflix初のオリジナルムービーとしても注目を集めている。
「少年兵という題材は日本の方には、あまりなじみのないものかもしれませんが、世界にはそういう事実があること。そして主人公の少年の気持ちを、新聞記事やニュースのひとつとしてではなく、身近な人のように思ってもらえれば」と話す。
撮影地のガーナでキャスティングしたのは素人の少年たち。「アブラハムは放課後に友達とサッカーしているところをキャスティング・ディレクターが声をかけて、オーディションした。彼はとにかく賢くて、少年の変わりゆくさまを見事に体現していたと思う」と振り返った。
そんなフクナガ監督が記者に乞われて、日本映画への愛を語る場面も。「10年ぐらい前に今村昌平監督の特集上映がニューヨークで行われました。自分は特に初期の作品に惹かれました。『豚と軍艦』のカメラワークは、スコッセッシ監督よりも早く実現されていたし、ナショナリズムとリアリズムがある。是枝裕和監督の『誰も知らない』の主人公の子役がすばらしかったし、小津安二郎監督の……」と映画を語り出すと止まらない。
ピーターズ代表取締役社長は、本作が劇場公開とNetflix配信を行うことについて「多くの方に観ていただくために、選択の機会を提供すること」との見解を述べる。同社は今後もオリジナル映画の製作・制作には模索しつつ前向きに取り組む姿勢でいることが語られた。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』予告編
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映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』はNetflixにて独占配信中
公式サイト https://www.netflix.com/jp/
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邦題は「ビースト・オブ・ノー・ネーション」です。お詫びし訂正いたします。