デイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングが映画『ファースト・マン』(原題 First Man )のプロモーションのために来日し同作を作る前と後での心境の変化に言及。12月3日は記念イベントで宇宙飛行士・山崎直子さん、民間人初のファースト・マンとなる前澤友作さんと宇宙トークを披露した。
本作は、ジェイムズ・R・ハンセン著「ファーストマン:ニール・アームストロングの人生」(ソフトバンククリエイティブ)を原作にして、偉人の秘められた人間性に焦点をあてる。空軍テストパイロットだった彼が、アメリカ航空宇宙局NASAのジェミニ計画( Project Gemini )の宇宙飛行士に応募した1961年から1969年のアポロ計画( Apollo program )で不可能といわれた有人宇宙飛行のミッションを成し遂げるまで、数々の試練を乗り越えて過酷な状況下でベストを尽くした人物像に迫っていく。
チャゼル監督は「宇宙計画の夢と希望にあふれた光の側面でしか見えていなかった」とし、膨大なリサーチを経て本作を作る前と後では少々捉え方が変わったことを率直に明かした。つまり計画の無謀さの支えとなった、関係者たちの多大な犠牲と喪失に目を向けていったのだという。
ニール・アームストロングを演じたライアンは、「奥様のジャネットさんに対面できたこと、オハイオ州にあるニールさんの生家の農場で妹ジューンさんにお話を伺えたこと、二人のご子息リックとマーク、それに知人の方々がニールさんの素顔を話してくれたことが役作りにつながった」と関係者のサポートに感謝を述べた。
奇しくもイベント開催のこの日は、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地( Baikonur Cosmodrome )で、ロシアの宇宙船・ソユーズ(Soyuz)が打ち上げられた。山崎さんは宇宙飛行士目線で「船内のつくりや訓練と日常の対比」といった本作のリアルさに感心し、#dearMoon Project ホストキュレーターとしてリスクを含め覚悟を決めた様子の前澤さんは「(一緒に試写を観たスタッフは心配してくれたが)自分はよりワクワクした」と宇宙行きについて笑顔で語った。
チャゼル監督は「自分が月に行きたいか今はわかりません。ですが(行けることを)うらやましく思います」と語れば、ライアンも「(撮影を経験したこともあり)覚悟も勇気もないので地球から遙か彼方に向けて成功を祈りたいと思います」と控えめな語り。そんなライアンはフォトセッションで持ち前の観察眼を発揮。山崎さんの手を前に組むポーズを見て、それまで自由な姿勢だったが、同じように手を組んだライアンと監督。劇中の細部の動きも観察眼が反映されていると思えた。
ライアンは「本物の宇宙服に身を包む撮影は心の底から楽しんだけれど、それよりも監督がカット!をかけて、無事に地球に降り立った時に気分が高揚したよ」と静かに微笑んだ。寡黙で控えめな性格のニールを演じきったライアンだからこそ、公には知られていないニール・アームストロングの人物像を表現できたのだろう。
映画『ファースト・マン』(東宝東和配給)は2019年2月8日[金]より全国公開
映画『ファースト・マン』予告編
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ファースト・マン(原題 FIRST MAN ) – 映画特報・予告編・作品情報