「17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像」(1891年) グスタフ・クリムト作

「クリムト展」本日開幕!終生・死と向き合った画家

映画会見/イベントレポート

オーストリアの画家グスタフ・クリムトの代表作と初来日作品を展示する「クリムト展 ウィーンと日本 1900」が4月23日、上野の東京都美術館にて開幕した。前日22日は、プレス向けの内覧会が実施され、多数のメディアが取材に訪れていた。

「17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像」(1891年) グスタフ・クリムト作
「17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像」(1891年)
グスタフ・クリムト作

グスタフ・クリムト(1862~1918)は、19世紀末から20世紀初頭の世紀末にウィーンで活躍した画家だ。展示は、ウィーンのベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館の所蔵作10品を中心に、画家の半生にせまる内容となっている。代表作「ユディトⅠ」、そして「ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)」、「アッター湖畔のカンマー城Ⅲ」などが出品され、日本では過去最多となる25点以上のクリムトの油彩画が揃う。そして、クリムトが手がけた全長34メートルにも及ぶ壁画「ベートーヴェン・フリーズ」の精巧な複製も来日し、ウィーンの分離派会館での展示を再現した。内覧時は、同館のステラ・ローリッグ館長、同館のマークス・フェリンガー学芸員も来場されており、本展について述べた。

書簡や小冊子なども展示、「クリムト展 ウィーンと日本 1900」
ウィーン・フォアアールベルク・クラブの舞踏会の記念品ほか書簡も

フェリンガー学芸員は「彼は終生、“死”と向き合った画家でした。ですので本展では彼の人生を知ることができる構成にしました。学生の頃の作品から死の直前・最晩年の作品までご覧いただけますし、彼が所有した書物や美術品も含まれます」とし、最初期は保守的な画風であり、その後の画風の変化と成長過程もわかると解説。さらに「彼自身の人生の象徴や状況も作品に反映していました。「ベートーヴェン・フリーズ」で描かれた黄金の鎧をまとった騎士は芸術家としての彼自身(の分身)です。そして神話の怪物と闘うわけです」。映画『黄金のアデーレ』にも登場した、彼の代表作「ユディトⅠ」は、「女性のエロスは男性にとって危険であることを込めて描いています。彼が初めて金箔を用いた作品です」など初心者にもわかりやすく話す。

なお、俳優の稲垣吾郎が、本展スペシャルサポーターに就任しており、稲垣は音声ガイドも担当した。音声ガイドでは、稲垣がオーストリアの思い出を語るスペシャルトラックも含まれていた。

「クリムト展 ウィーンと日本 1900」開催概要

開催期間 : 2019年4月23日[火]~7月10日[水]
開催場所 : 東京都美術館 企画展示室
      〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
開室時間 : 9:30~17:30(金曜日は20:00まで) ※入室は閉室の30分前まで
お問い合わせ先 : 03-5777-8600(ハローダイヤル)

「クリムト展 ウィーンと日本 1900」公式サイト https://klimt2019.jp/
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