クエンティン・タランティーノ監督「レオとブラッドが僕を選んでくれた」
クエンティン・タランティーノ監督が来日し、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(原題 Once Upon a Time in Hollywood )の記者会見に出席し同作を語った。二大スターのレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの起用については、「“レオとブラッドが僕を選んでくれた”と思っている」と明かした。
1969年8月の「シャロン・テート殺人事件」という史実に、架空のキャラクターであるレオナルド・ディカプリオが演じたリック・ダルトンとブラッド・ピット演じたクリフ・ブースを加えるというアイデアは「前提としてハリウッドのカウンターカルチャーを業界と街の二つの面において、変革を迎えていた時代の様子を描きたかった。そうしたときにE.L.ドグトロウの小説「ラグタイム」を13歳か14歳の頃に読んだけど、史実と架空のキャラクターを織り交ぜて描かれていた。それが面白かったので、今作では僕が考えた架空のキャラクターと当時ハリウッドに生きていた人物を会わせることにしました」。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演でも注目を集めている本作。配役の質問が出ると「今回は、俳優とスタントダブルという間柄なので有名どころならば誰でも良かったというわけではなくて、同じ衣装を着た時に、身体的にも似た感じの二人である必要がありました。レオとブラッドの二人はキャラクターにピッタリでしたね。「なぜ二人を選んだのか?」という質問はよくされますけども、彼らは出演するか選べたわけなので、むしろ彼らが僕を選んでくれたんです(笑)。だから二人が出てくれて僕はラッキーなんです。今世紀のクーデターともいえると思っています」と謙虚に話す。
そんな架空のキャラクターはどのようにして誕生させたのだろうか。「あの当時にテレビ俳優から映画俳優への転身に見事に成功した役者といえば、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッド、それにジェームズ・ガーナーがいます。でも、転身がうまくいかなかった役者も大勢いました。その理由は、出演した映画の質があまり良くなかったり、ヒットしなかったり、運が良くなかったりとさまざま。それに50年代から60年頃はクラーク・ゲーブルの主演映画よりも、テレビドラマの1エピソードがもてはやされた。ドラマ「ルート66」(原題 Route 66 )主演のジョージ・マハリス、「サンセット77」(原題 77 Sunset Strip )主演のエド・バーンズ、「ブロンコ」(原題 Bronco )主演のタイ・ハーディン、「ベン・ケーシー」(原題 Ben Casey )のヴィンセント・エドワーズとか、そういった役者たちの要素を組み合わせて誕生したのがリックというキャラクターなんだ」。
とにかく楽しく制作したという本作だが、劇中のロサンゼルスの街はCGやセットは用いていないという。そんなタランティーノの仕事ぶりについて、プロデューサーのシャノン・マッキントッシュは、こう明かす。「彼の映画製作はマジカルなの。現場もファミリーのような感じよ。初監督作の『レザボア・ドッグス』以来のクルーもいて、みんな再び仕事ができることをすごく楽しみにしているの。それに撮影の合間には彼の授業があって、どの監督のどの作品を見たほうがいいと教えてくれる。それに、タランティーノが新作を書いていると聞きつけると、クルーたちが「いつ書き終わりそう?」と私に電話をかけてくるの。みんなスケジュールの都合をつけて、タランティーノ組に入りたいのだと思うわ」。
最後に監督が探している日本映画があるとのこと。蔵原惟繕監督の『栄光への5000キロ』の英語字幕付きで持っている人がいたら、あと2日は日本にいるので連絡をしてほしいそうです。
会見の間には、なじみの顔を見つけて手で合図をしたり、コスプレ参加者をねぎらうなど、毎度のことながらフレンドリーな姿を見せていた。「1989年にビデオストアのイチ店員だった自分が(笑)、9作品もの長編映画を撮ったこと、その作品のプロモーションで日本にこれたことは奇跡だと思いますよ。それに、仕事としてではなくアーティストとして物語を作れることはとてもラッキーですし、そのことを忘れたくない」と胸の内を明かした。だからこそ、会見の最後には、日本語で「ありがとう!」と呼びかけて、会場をあとにした。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給)は2019年8月30日[金]より全国公開
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