ホアキン・フェニックスとトッド・フィリップス監督、第76回ヴェネツィア国際映画祭にて

ホアキン・フェニックス「兄リバーに感謝!」

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ホアキン・フェニックス「兄リバーに感謝!」

映画『ジョーカー』USプレミアが、現地時間9月28日にTCLチャイニーズ・シアターにて華々しく開催された。アーサー=ジョーカー役ホアキン・フェニックス、アーサーが秘かな好意を抱くソフィー役のザジー・ビーツ、アーサーの母親役のベテラン女優フランセス・コンロイ、監督・製作・共同脚本を務めたトッド・フィリップスらが集結し、大盛況のプレミアイベントとなった。

ホアキン・フェニックスとトッド・フィリップス監督、第76回ヴェネツィア国際映画祭にて
ホアキン・フェニックスとトッド・フィリップス監督、第76回ヴェネツィア国際映画祭にて

本作は、孤独だが心優しかった男が悪のカリスマに変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描くサスペンス・エンターテイメント。「どんな時も笑顔で」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。ピエロ=コメディアンとして世界を笑わせようとしたひとりの“人間”が、なぜ狂気溢れる“悪のカリスマ=ジョーカー”に変貌したのか?本作で初めて、切なくも衝撃のジョーカー誕生の理由が語られる。

第76回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門への正式出品、第44回トロント国際映画祭のガラ・プレミア部門に選出され、世界の映画関係者が「本年度アカデミー賞最有力」と絶賛と注目を浴びせている。

映画『ジョーカー』USプレミア
映画『ジョーカー』USプレミア photo by Kaori Suzuki

プレミア会場には、ジョーカーのイメージカラーである緑色のカーペットが敷かれ、その周辺には開演前から大勢のファンが集まり、道の反対側にもファンたちが溢れかえった。そんな会場に主演のホアキン・フェニックスが登場すると会場のボルテージは最高潮に達した。そして、声援と拍手で迎えられたキャスト&スタッフたちは一人一人サインと写真撮影に応じた。

ハリウッドで初お披露目となるこのプレミアには、69か国で No.1 を獲得したアメコミ映画『アクアマン』 のジェイソン・モモアも祝福に駆け付けた。さらに同じく『ダークナイト』のクリスチャン・ベールも「僕は、ヒース(・レジャー)と一緒に仕事をしましたが、彼の後にジョーカーを演じるのは、とても勇気がいることだと思う。でも、ホアキンは最高の俳優です。だから、『ジョーカー』を僕は絶対に観たいんです!」と本プレミアには足を運べなかったが、ジョーカーを演じアカデミー賞を受賞したヒース・レジャーと共演したベールは、名優フェニックスの演技に期待を寄せるコメント。

そして、先行して鑑賞した数々のヒーローやヴィランを描いてきたコミックアーティストの巨匠ジム・リーは「『ジョーカー』は、激しく、生々しく、魂のこもった作品です。ホアキン・フェニックスの魅力的かつ心をかき乱す演技は、我々の愛すべきヴィランについて、深く完全な洞察を与えてくれました。間違いなく、長年のDCファンは、このつらく苦しい教訓の物語がもたらす多くの事実と疑問をひも解くため、長い時間を費やすことになるでしょう」とフィリップスのオリジナル脚本での解釈及びベールに同意するかのようにフェニックスの演技を絶賛した。

映画『ジョーカー』アーサー
アーサー
©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

そんなフェニックスは、プレミア前に実施されたインタビューでは「とにかく映画を成功させたいという気持ちで精一杯でした。僕にとって『ジョーカー』は特別な映画。僕は多くの人が楽しめる映画が好きだ。この作品は、観客の期待に応えられるものになっていると思うよ。だから、日本にもプロモーションで行きたかったよ」と日本のファンにアピールしていた。

なお、トロント国際映画祭功労賞[TIFFトリビュート・アクター・アワード]初の受賞者となったホアキンは、記念スピーチで亡き兄リバー・フェニックスへの想いを語っていた。「私が15歳、16歳だったある日、兄のリバーが、『レイジング・ブル』(80)のVHSテープを持って、仕事から帰宅した。彼は私にその映画を観せてくれて、翌朝も、私を起こすと、もう一度観せてたんです。それで、“お前は演技をやるんだ。これがお前のやることなんだよ”と、私の意志を確認することなく俳優として生きていけと言われれたんだ。演技が私に素晴らしい人生を与えてくれたから、兄には感謝してるんだ」と亡き兄リバー・フェニックスが当時、本作にも出演しているロバート・デ・ニーロがアカデミー賞を受賞した実在のミドル級ボクサー、ジェイク・ラモッタの栄光と挫折の半生を描いた作品をホアキンに観せたことで、兄に背中を押され、俳優として生きていく覚悟を決めるきっかけとなったと目に涙を浮かべて、感謝を述べたのだった。本作の好演により、今年の映画界でホアキンの名はこれまで以上に語られていくことだろう。

映画『ジョーカー』(ワーナー・ブラザース映画 配給)は2019年10月4日金]より日米同時公開
©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

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映画『ジョーカー』作品情報と予告編

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