山﨑賢人「『劇場』ラストは絶対観て欲しい」
山﨑賢人が3月25日、主演映画『劇場』完成記念イベントに、ヒロインの松岡茉優、共演の寛 一 郎、行定勲監督、そして原作者の又吉直樹と登壇。山﨑は「ラストは絶対観て欲しい」などと語った。
この日は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から試写会は実施することなく、ゲストはタイトルにちなんで、劇場客席に座りトークを行った。
本作は、芥川賞作家・又吉直樹が描く“初の恋愛小説”を、山﨑賢人を主演に行定勲監督が実写化。完成した映画の感想を聞かれた山﨑は「初めて原作を読ませて頂いたときに絶対永田を演じたいなと思いました。いざ撮影をさせて頂いて、永田の人間としての弱さや愚かさが自分の中で魅力的で共感できますし、映画としての“劇場”がいい作品になったなと思っています」とコメント。
松岡は「最初にお話しを頂いて台本を読んだときに、言いたい台詞がたくさんありました。誰かを想ったことがある人には必ず響く作品になっていると思います。ご自身の大事な人やモノと重ね合わせながらこの物語を観てくれたらと思います」と述べれば、寛 一 郎は「お客さんがいない中での舞台挨拶って慣れないですよね。なんか会見みたい(笑)原作は出演が決まる前から読んでいて、永田と共通する部分は無いはずなのに彼の感情の機微が痛いほど分かるんです」と語った。
又吉は「『劇場』は大切にしている小説でして、映像化されたものを観たときに、すごく原作を大切にしてくださっているのを感じると共に、僕自身が分かっていなかったことが映像を見ることで発見出来たりもしたので、原作を読んでくださった方にも観て頂きたいですし、自信をもってお勧めしたいと思います」とコメント。
行定監督は「すごく思い入れのある作品になりました。原作が出版されてすぐに読んで、読み終わったらこの映画のラストシーンが思い浮かんだんです。これは他の人には撮らせたくない!と思ってプロデューサーにすぐ電話したのを思い出します」と自らが原作に惚れ込み、積極的に映画化に関わったことを明かした。
ここは絶対観て欲しい推しシーンについて、山﨑は「ラストは絶対観て欲しいのですが、松岡さんを後ろに乗せて自転車で二人乗りするシーンですかね。すごく頑張ったので(笑)」とコメント。
それについて、松岡が「私を後ろに乗せながら自転車を漕いで4ページ分ぐらいのセリフがあって、更に長回し一本撮り。しかも噛まないんですよ。信じられない!」とそのシーンの山﨑を絶賛。又吉はそのシーンの松岡にも触れ、「松岡さんはセリフが無いのに態勢だけですごく感情が伝わってくるんですよね。あそこは是非観て頂きたいですね」と原作者からもお墨付きのシーンとなった。
そして、又吉は「永田と沙希が二人で部屋にいるシーンはどれも好きなんですけど、沙希が壁にもたれてベッドに座ってパンを食べているシーンがヤバいですよね(笑)あの空間と二人の距離と関係性というのが大好きですね」と話す。
行定監督は、「あのシーンの撮影の頃になると僕は松岡茉優に指示を出さないって決めていて。最初のうちは指示していたんだけど悉く松岡が違うことやってくるんです。それが面白いわけですよ(笑)どこに座りたいって聞いたら『なるべく離れたところ』って言ってあそこに座ったんです。僕はもうちょっと近くてもいいだろうと思っていたんですけど、これが女性の気持ちなんだなと思いましたね。そこに対する永田の距離感も絶妙です」とそのシーンの松岡の巧みな演技の裏側を明かした。
「生涯忘れられない恋」を描いた恋愛映画というコピーにかけて、「生涯忘れらない〇〇」についての質問に、山﨑は学生のころに自分で釣りをして捕った魚を民宿のおじさんが焼いてくれた味が忘れられないとコメント。松岡は「15、6歳の時にオーディションで読んだ台本で、悲しいことがあって泣きながらうどんを食べるシーンがありまして。泣きながら何か食べると味が変わると思うんですけど、台本を読んでいた時に、その味が浮かんだんですよ! 「泣いているときに食べる、うどんの味はこれだ!」って思って、そのシーン絶対やりたいと思ってオーディションに挑んだんですけど落ちてしまったんです。忘れられない台本というかト書きでしたね」
すると、又吉は「1作目の火花を書いたときに、中国でも出版されることになって上海に行ったんです。そしたら色んな報道陣の方が来てくださって、熱心に質問して下さって本の内容を話せたので嬉しかったんですね。そしたら翌日通訳の方が、昨日僕が話したことが新聞に載っていると教えてくれて、『何て書いてあるんですか』と聞いたら『又吉さんの髪の毛はラーメンみたいだった』と(笑)なんでそんなことを書いたんだろっていうのは生涯忘れないですね(笑)」と語り、期せずして食べ物関連で繋がるトークとなった。
最後に、イベントの演出として映画のロゴが書かれた垂れ幕と共に、劇中の印象的なシーンの一つでもある桜並木をイメージした桜吹雪を散らせる演出が行われた。山﨑は「この映画は観終わった後、大切な人を思い浮かべる作品になっていると思います。生きていく中で上手くいかないこともたくさんあると思うんですけど、最後にはいい方向に向かっていくんじゃないかと思える作品になっているので、公開まで魅力を伝えていけるように頑張りたいと思います」と挨拶した。
映画『劇場』(松竹 アニプレックス 配給)は2020年4月17日[金]より全国公開
©2020「劇場」製作委員会
映画『劇場』予告編
©2020「劇場」製作委員会
山﨑賢人主演×行定勲監督で又吉直樹「劇場」映画化!
映画『劇場』公式サイトgekijyo-movie.com
又吉直樹著「劇場」 (新潮文庫)をAmazonで購入する
黒王子の山﨑賢人「心は大事!自分の気持ちに嘘つかない」