バイオレンス×笑い『首』北野ワールド全開の戦国スペクタル
北野武監督の最新作『首』(英題 Kubi)の予告編とポスターが届いた。 “本能寺の変”をテーマに、信長・秀吉・家康・光秀ら武将たちの野望、裏切り、運命を壮大なスケールで描く戦国スペクタル超大作だ。
北野武監督が初期の代表作の1本『ソナチネ』同時期に構想し、30年もの長きに渡って温めていた本作は、巨匠・黒澤明が生前「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた念願の企画。
北野武自らが“本能寺の変”を策略する羽柴秀吉を飄々と演じ、織田信長に複雑な感情を抱く明智光秀を西島秀俊が演じる。加瀬亮が狂乱の天下人・織田信長を怪演。
西島は本作の台本を読んで独特の世界観を感じたという。「生きるか死ぬかの毎日で、首だけになってしまえば、地位も名誉も何もないという無常観。死と隣り合わせの日々の中、滑稽なことと笑った直後に悲惨なことが起きたり…他の監督では感じることのできない、北野監督ならではの世界観があった」。
加瀬も「北野監督は色々な戦いを経てトップに立った方。その中で色々を感じたことをあらゆるキャラクターに散りばめていて、それぞれの武将たちには監督の人生とも重ねられると思った」というのが最初の印象だったと明かした。アウトレイジ』シリーズにも出演した加瀬は「今までは助監督を通じて演出を受けていたが、今回は北野監督が直接現場に来て、一言ふた言おっしゃってくれることが多く、丁寧な演出を多く受けた感じがした」と話す。
大森南朋もと弟の羽柴秀長をユーモアたっぷりに演じ切る。「すぐ本番に行くという恐怖がある」と北野組を振り返るのは大森。何もするなという空気を感じながらも、役者として何もしないわけにもいかない。「一度、どこまで許されるのか、北野監督との気配でせめぎ合うというか…でもこれは本当に怖い。よっぽどのことがないと北野監督は「もう1回」っておっしゃらないんですよ。何回も同じことをやるのも大変ですが、1回しかできないという緊張感。これもすごく感じました」とそれぞれが北野監督と過ごした撮影時間を振り返った。
秀吉を支える軍師・黒田官兵衛に浅野忠信。さらには、秀吉に憧れる百姓・難波茂助を演じる中村獅童が北野組に初参戦。他にも木村祐一、遠藤憲一、桐谷健太、小林薫、岸部一徳らが歴史上の重要人物に独自のキャラでなりきっている。
モノクロでスタイリッシュな本ポスター。「狂ってやがる。」というキャッチコピーが人間の奥底に眠る計り知れないおぞましさ、無骨さを際立たせており、強烈な印象を与えるビジュアルに仕上がっている。これまで描かれたことのない本能寺の変。戦国史の常識をぶっ壊す衝撃作『首』の目撃者となる!
映画『首』(東宝・KADOKAWA 配給)は2023年11月23日[木・祝]より全国公開
©2023KADOKAWA ©T.N GON Co.,Ltd
映画『首』あらすじ・作品データ
天下統一を掲げる織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重が反乱を起こし姿を消す。信長は羽柴秀吉、明智光秀ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。秀吉の弟・秀長、軍司・黒田官兵衛の策で捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀はなぜか村重を殺さず匿う。村重の行方が分からず苛立つ信長は、思いもよらない方向へ疑いの目を向け始める。だが、それはすべて仕組まれた罠だった。
果たして黒幕は誰なのか?権力争いの行方は?史実を根底から覆す波乱の展開が、 “本能寺の変”に向かって動き出す。(2023年/日本映画/131分/R-15)
原作:北野武『首』(角川文庫/KADOKAWA 刊)
監督・脚本・編集:北野武
出演
ビートたけし
西島秀俊 加瀬亮 中村獅童
木村祐一 遠藤憲一 勝村政信 寺島進 桐谷健太
浅野忠信 大森南朋
六平直政 大竹まこと 津田寛治 荒川良々 寛一郎 副島淳
小林薫 岸部一徳
映画『首』(英題 Kubi )予告編
©2023KADOKAWA ©T.N GON Co.,Ltd
(15歳未満は見ちゃダメ)
映画『首』公式サイト
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北野武『首』は戦国時代を美化することなく描く!