[シネママニエラ] 4月22日、映画『奇跡のリンゴ』の完成報告会見が都内で行われ、主演の阿部サダヲ、菅野美穂、山崎努、久石譲(作曲家)、中村義洋監督、そして原作モデルの木村秋則氏が出席した。妻への愛情からリンゴの無農薬栽培に臨んだ感動の実話が基になっており、菅野はモデルとなった夫婦を「無敵の夫婦」と表現。同月に結婚したばかりの菅野は、記者から「無敵の夫婦に?」と問われると、「頑張りたいと思います」と照れながらも答えていた。
本作は、11年に及ぶ壮絶な苦労の末に不可能と言われたリンゴの無農薬栽培を、世界で初めて成し遂げた青森県のリンゴ農家の実体験を基に映画化しており、主人公を阿部が、その妻であり3人の母親役を菅野が演じている。劇中の津軽弁の台詞は「方言指導の方が録音したものを耳コピして覚えた」という阿部。ご両親が岩手県出身の菅野は「本作の津軽弁はライトな方」と語れば、中村監督も「5段階の2という感じ」とフォロー。また、その場で木村氏が究極の会話は「ん」で成立するのだと実演したところ、取材陣から驚きの声が上がる場面も。
親戚役で出演も果たした木村氏はこの日は緊張気味だったが、その朗らかな人柄について、音楽を担当した久石は「(ご当人に)お会いし、陽気さを出したくて津軽のラテン人をコンセプトに作曲した」と明かした。存命の人物を演じるのは初めてという阿部も「プレッシャーがあった。(木村氏は)笑顔の印象が強いですが、つらかった時期を想像して内面や精神性を表現したかった」と吐露。それにより、本作には今まで見たことのない阿部の表情が映っているという。
真摯に対峙し製作過程で精根尽き果てたという中村監督は、「木村さんを調べるほどに奥様の偉大さに気が付いた。その理想の奥さん役に相応しいのは菅野さん」との配役理由を語る。すると、そこで菅野が、「リンゴ作りに苦労している頃は一緒にいられる時間があって良かった。(成功したことで)国内・海外からの公演依頼などで主人が忙しくなり、共にいられる時間が減ってしまった」という、成功は喜ばしくとも複雑な心境を表す木村夫人の言葉を語り、その深い夫婦愛に感銘。「無敵の夫婦」と讃えた。
現在では入手困難とされる、その奇跡のリンゴを1つ頂いたという山崎は、持ち帰り家族で食し「実に美味しかった」と述べると、その種をお嬢さんが植えたところ発芽したという写真を持参。映画と並行して、新たなかたちでも奇跡のリンゴは広がっていくことになりそうだ。
日本公開=2013年6月8日
配給=東宝
公式サイト http://www.kisekinoringo.com/
©2013「奇跡のリンゴ」製作委員会
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