映画『9ナイン』

『9〈ナイン〉~9番目の奇妙な人形~』と元ネタ短編

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映画『9ナイン』
© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
[シネママニエラ]ティム・バートンが心底惚れ込み、プロデュースまで手がけたのは、アカデミー賞短編アニメーション部門候補になった『9~オリジナル・ショートフィルム』(以下『9』)の長編映画化でした。

「これまでの人生で見た映像の中で、最高の11分間だった」byティム・バートン

『9〈ナイン〉~9番目の奇妙な人形~』は、2009年の9月9日にアメリカで公開され、スマッシュヒットを飛ばしました。なんといっても、前述のティム・バートンのコメントは、クリエイターにとって最高の賛辞でしょうし。同時に宣伝効果としても十二分ですから。

人類滅亡後の未来。背中に「1」から「9」までの番号を付けた小さな麻の人形たちは、破壊兵器と化した機械との戦いを続けていた。しかしある時“ザ・マシーン”が目覚めてしまう。

そもそもこの『9』は、商業作品ではなく、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアニメーション課程)の卒業制作として完成させた、11分の短編作品だったのです。

ティム・バートン監督に「最高の11分間」と言わしめた、元ネタ短編『9~オリジナル・ショートフィルム』が、You Tubeにあるので見てみましょう。

※リンクです

いかがでしたか? スクリーンで観るのとは色調が異なりますけど。マスコミ向けの試写では、『9〈ナイン〉~9番目の奇妙な人形~』の後に、『9~オリジナル・ショートフィルム』が上映されました。映画界の新星シェ―ン・アッカー監督の描く映像は、東欧のパペットアニメーション。ティム・バートン譲りのダークでファンタジックなディティール。そして、もうひとりのプロデューサー『ウォンテッド』『ナイト・ウォッチ』のティムール・ベクマンベトフ監督の持ち味である、アクションシークエンスが奇跡的に融合していました。

キャラクターデザインは、たくさんのストップモーション・アニメの達人たち。ヤン・シュヴァンクマイエル、クエイ兄弟、ロイエンシュタイン兄弟からヒントを得たもの。予告編でも見られる、廃屋の人形はクエイ兄弟を彷彿させます。そして、継ぎはぎ人形は、“スティッチパンク”と呼ばれるようになったのです。

声の出演も豪華です。主人公「9」の声は、 『ハッピー フィート』でも主人公の声を担当していた、イライジャ・ウッド。ほかに『ビューティフル・マインド』のジェニファー・コネリーが紅一点で、闘うヒロインとして登場します。『カールじいさんの空飛ぶ家』クリストファー・プラマーら、ベテラン勢が人形たちに命を吹き込んでいます。

短編の長編化に際して。キャラクターデザインなどオリジナルの世界観は失われずに、色彩がややダークになったかなという印象。ただ、強いていうならば。11分を約8倍に膨らましたストーリー部分が洗練されれば…。とはいえ、オリジナル作品で人を惹き付けられる才能の出現は、貴重です。ティム・バートンが見込んだ新人監督の今後により期待しましょう。

個人的には、9たち人形の動きに惹きつけられたので、【溺愛作品】に認定しま~す。

映画『9〈ナイン〉~9番目の奇妙な人形~』予告編

© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

日本公開=2010年5月8日
配給=ギャガ
公式サイト
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2010年5月1日には、『9~オリジナル・ショートフィルム』を含む「Short Shorts11プログラム」上映が、横浜のブリリア ショートショート シアターにて行われます。詳しくは公式サイトにて。
公式サイト http://www.brillia-sst.jp/

【最新情報】
5月9日[日]1日限定@新宿ピカデリー
短編作品『9 ~オリジナル・ショートフィルム』の同時上映が決定。新宿ピカデリーの全ての上映回で『9 <ナイン>~9番目の奇妙な人形~』本編上映前に短編を上映するそうですよ。

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