「本作の出演の決め手は何と言っても今回演じたブライアンというキャラクターでした。ブライアンは自堕落な生活を送っているけれど、同時に闘志というものをしっかり持っているし、間違っていないという価値観をしっかり持っていて、これはぜひ演じてみたいと思ったんです。ブライアンという役柄について、ジェローム・サル監督とはじめて話したときに、監督から『自分がファイナルカット権を持っているし、これはスタジオ映画ではないから思いきり振りっ切ってやろう!』と声をかけていただきました。ですから自分もそういう意気込みで臨むことができました」
「撮影の4~6週間前に現地に入って過ごすなかで、南アフリカで警察官であることは本当に大変なことなのだと理解しました。まずは文化、南アフリカ男性であること、警察官であることがどういうことかということを知り、生きることの厳しさ、多くの一般の方々の人生も厳しいということを知りました。また、人間の命の対価だとか、命に重きが置かれないという現実があることも。ブライアンは厳しい現実に直面したくないという気持ちからお酒などに依存してしまったのではないかと思いました。役作りの準備段階で気を使ったのは言葉のアクセントと肉体です。南アフリカの男性は比較的マッチョな方が多いので、身体作りの準備を6ヶ月前くらいから、ウエイトトレーニングや有酸素運動をして、当然食事にも気を使いました。これまでに演じたキャラクターとは全く違います。演じ応えがありました。そんなキャラクターをみなさんに楽しんでいただければとても嬉しいです」
「フォレスト・ウィテカーと共演できたことは本当に光栄でした。真のアーティストであり、素晴らしい才能がありアーティストでもある彼とスクリーンを分かち合うことができたことを嬉しく思っています。役への入り方は見てグッとくるものがありました。1つ例を挙げると、彼がベットから起き上がるシーンで、そのまま倒れ込んでしまったのです。みんながあわてて彼の元に駆け付けたところ、彼は『役に入りすぎてやり過ぎた』と言っって。そこまでキャラクターになりきるという彼の演技に対する思いを見た気がしました。それに人柄も本当に素晴らしく、素敵な方です。もしまた彼と共演できる機会があるならどんな作品でも構いません」
「南アフリカという国にはこれからの希望や可能性を強く感じる一方、同時に自分の理解の範囲ではありますが、南アフリカの方々には様々な大きな壁が立ちはだかっている中、前に進んでいかなければならないんだということを強く感じました。タウンシップと言われる地域では100万人以上の人々が最も貧しい状況で生活している姿を目にし、心を動かされました。本作を観ていただければ経験していただけると思います」
映画『ケープタウン』は2014年8月30日より新宿バルト9ほか全国公開中
R+15
2013年 フランス映画/107分
原題=ZULU
日本公開=2014年8月30日
配給=クロックワークス
公式サイト http://capetown-movie.com/
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