[シネママニエラ]映画『おみおくりの作法』は孤独死した人を見送る仕事をしている寡黙な民生係ジョン・メイの生きざまを描き、第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門の監督賞、国際芸術映画評論連盟賞を受賞した、真摯に死と向き合う職業という点で“欧州版おくりびと”と称えられる作品。その日本公開が決定した。
本作は9月中旬に、なら国際映画祭にてジャパンプレミアが催され、メガホンを執ったウベルト・パゾリーニ監督が来日。完成までに2年を要した作品だというが、同映画祭では見事観客賞に輝いた。
監督は『フル・モンティ』を生み出した名プロデューサーとして知られる存在。前述のプレミアで、パゾリーニ監督は「社会というのは弱者をぞんざいに扱うもので、何も言えない死者は一番の弱者です。そのような振る舞いは社会以外の他の面にも反映されていくものだと思います。この映画を各地の映画祭で上映してきて、この映画を見た後にその国で一人でも隣の家のベルを鳴らしてくれればうれしいです」と昨今の薄らぐ地域との関わりについて警鐘を鳴らしている。
主人公ジョン・メイを演じるのは『ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う』『思秋期』『戦火の馬』など、イギリスを代表する実力派俳優、エディ・マーサン。難しい役どころを情感豊かに魅力的に演じる。孤独死した人を見送る仕事をしている寡黙な民生係ジョンはある日、人員削減のため解雇に。最後の案件はジョン・メイのすぐ近所に住んでいたビリー・ストーク。これまで以上に真剣に仕事に取り組み、故人の人生を紐解くために、ビリーを知る人々を訪ねていく……。「生きること」を見つめなおす感動の物語だ。
映画『おみおくりの作法』は、2015年1月シネスイッチ銀座にて全国順次ロードショー
映画『おみおくりの作法』予告編
2014/11/1up ©Exponential (Still Life) Limited 2012
2013年イギリス、イタリア映画/87分
原題=STILL LIFE
日本公開=2015年1月24日
配給=ビターズ・エンド
公式サイト http://bitters.co.jp/omiokuri/
©Exponential (Still Life) Limited 2012
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