第67回カンヌ国際映画祭オープニング作品としても注目を集めた本作。監督のコメントを一問一答でお届け。
――グレース・ケリーは、日本にも来日された事もあり、今でも日本人にとても愛されている方ですが、監督にとってのグレース・ケリーとはどのようなイメージの方でしょうか?
オリヴィエ・ダアン監督:自分は映画監督ですので、女優としてのグレース・ケリーにも大変興味がありますが、個人的には彼女が映画をあきらめてプリンスになったのは少しさみしく、残念に思います。
――監督は何度も来日されていらっしゃいますね、5回目でしょうか?日本の文化で好きなことってありますか?
オリヴィエ・ダアン監督:本当に何度も来ているよ。実は過去に日本のミュージシャンとのコラボする幸運にも恵まれましたし、映画が公開されるたびにプロモーションでも来ていますね。とにかく日本のアーティストの方々と一緒にコラボできるのは本当に光栄です。日本にくることがとっても好きですし、文化に触れることも大変嬉しく思います。
――今作は私たちが知らなかった彼女の葛藤や内面が深く描かれていますが、監督が意図した事とはどのような事だったのでしょうか?
オリヴィエ・ダアン監督:まず、今回は伝記映画を撮りたくなかった。今回はグレース・ケリーのポートレートであり、まるで彼女がヒッチコックの作品にまた出演しているかのような雰囲気を描きたかったんです。彼女の人生というのは、華やかな、周囲の人が聞いたらワクワクするようなおとぎ話のようなものだったけど、本当の彼女は悩み、苦しみ、女優に戻りたい強い気持ちがあった。当時は女優に戻るチャンスもあったにもかかわらず、結局はそうできなかった。彼女の人生において、映画に戻れないというのは断腸の思いだったに違いないと思います。女優としての頂点から降りるかどうかの決断に秘められた彼女の内面の苦悩を、今回はどうしても描きたかったんです。
オリヴィエ・ダアン監督:最初は普通のオーディションをしたんです。実はニコールに演じてもらう気も最初は全くなかったよ。ただ、色んな女優と会ってもひとりもピンと来る人がいなくて、一旦パリに帰ったんです。その後、ニコールのマネージャーから逆オファーがあって、ニコールとスカイプで2時間ほど話した。会話が終わる頃には、彼女でやることへの想いが自然と固まっていたよ。
撮影中の彼女についてだけど、もともと私は彼女のファンであったし、彼女が大女優であることはもちろん知っていました。だけど、彼女と毎日現場で顔を合わせると、彼女が如何に“エクストラオーディナリー“な女優であることを感じさせてくれた。仕事への理解力も非常にあるし、知性が高く、何より直観力がすばらしい。だから彼女と毎日仕事ができるのは非常に心地よい時間だったよ。加えて、僕を監督として非常に信頼してくれたし、スタッフや技術者への配慮も素晴らしかった。スクリーンに映れば大女優としての貫録が現れるにも関わらず、現場ではそんなところをちっとも感じさせないんだ。
映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』は2014年10月18日[金]よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』予告編
フランス、アメリカ、ベルギー、イタリア合作映画/103分
原題=GRACE OF MONACO(2014)
日本公開=2014年10月18日
配給=ギャガ
公式サイト http://grace-of-monaco.gaga.ne.jp/
© 2014 STONE ANGELS SAS
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