映画『あん』製作発表会見

河瀨直美×樹木希林の遺作(?)『あん』で初タッグ!

映画会見/イベントレポート
河瀨直美と樹木希林
河瀨直美と樹木希林

[シネママニエラ]女優の樹木希林が劇中の割烹着姿で映画『あん』の製作発表記者会見に登場し、多くの報道陣を前にして「(このメディアの数は)トム・クルーズさん以来ってことなんで、本当かな?って思っています」と挨拶するなど、おなじみの樹木節全開で新作をアピールし笑いを誘った。

映画『あん』は、ドリアン助川著の原作「あん」をベースにしたエンターテイメント・ドラマ。河瀨直美監督にとって初となる原作からの映画化作品だ。

とある街にひっそりとただずむどら焼き屋「どら春」を舞台に、しがない雇われ店長・千太郎と、近所に住む家庭の愛に飢えた少女・ワカナ、どこからともなく「どら春」に現れた徳江の作る絶品アンコを通して、様々な人間ドラマが紡がれていく。ハンセン病をわずらった主人公・徳江を演じるのは日本を代表する女優の樹木希林。

原作者自らの映画化の求めに応じた監督は「映画化には難しい小説」だが、難しいからこそ挑むのが河瀨流なのだと述べた。そして製作過程について、河瀨監督が「(撮影最終日は)すばらしい天候の日で、脚本にあるまばゆいばかりの夕日のシーンがちゃんと撮れて、まさに終わったばかり。これからフランスとドイツで編集作業に入ります」と撮了を報告。

そして、樹木は「(監督との撮影は)しんどかったです。セリフが長いときは共演者に勝手に差し上げちゃうんですけどね。この監督はそういうわけにはいかないと。覚えましたね。でも河瀨さんのすごさが分かりました。役者なら一度は河瀨さんとの仕事をおやりになるといいんじゃないかなと思いました」と褒め称えた。

今作の役づくりのために、和菓子店でお菓子つくりを学び、実際にハンセン病の療養所での生活を経験している方々に会ったという樹木。記者から体調が心配という声が出ると、樹木は「それが狙い」と答え、河瀨監督からは「これを樹木さんの遺作として 売りたいんじゃないんですか?」と言われていたことを明かした。

映画『あん』あらすじ
あることがキッカケで刑務所暮しを経験し、縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎。ある日、その店の求人募集の貼り紙を見て、一人の老女・徳江が現れ、千太郎にその店で働くことを懇願する。

映画『あん』は、2015年6月より全国公開

2015年 日本、フランス映画
日本公開=2015年6月日
配給=エレファントハウス
企画・制作=組画
共同制作=COMME DES CINEMAS(フランス)
©映画『あん』製作委員会

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