[シネママニエラ]さだまさしの同名楽曲を基に誕生した映画『風に立つライオン』の完成披露試写会が2月24日に実施され、映画化の企画者であり主演をつとめた俳優の大沢たかおが共演者らとともに舞台あいさつに登壇し、「一般の方に観ていたたくのは本日が初めて。朝からドキドキしていました。さだ(まさし)さんの楽曲からはじまった“命のバトンをつなぐ”というテーマの本作。映画を観たみなさんにも命をバトンをつないでいただければ」と作品に込めた思いや撮影の日々を振り返った。
実在の人物・柴田紘一郎医師(元長崎大学熱帯医学研究所)のケニア赴任の体験談より生まれた楽曲に感銘を受けた大沢が書籍化と映画化を熱望し実現。この日のステージはアフリカの夕景をイメージした演出で、そのなか大沢をはじめ、女優の石原さとみ、真木よう子、俳優の萩原聖人、鈴木亮平、それにメガホンを執った三池崇史監督、原作者のさだまさしが出席した。
島田航一郎医師役の大沢は実際に物語の舞台であるケニアと長崎・五島列島で撮影。ケニアでは本物のマサイ族との交流もあり、「スタッフが撮影用に事前にヤギを用意しておいたのですが、そのヤギが雄だという理由で食べられてしまったことには驚きました」とエピソードを披露。これを受けて三池監督は「スタッフは慌てたみたいだけど、ヤギはたくさんいましたからね、代わりをすぐ手配したので」と異国・異文化での撮影に臨機応変に臨んでいたことを語った。
本作を機に初めてアフリカに訪れた、さだは「思っていたとおりの場所だった」。ケニアの子どもたちとの思い出に触れた萩原も「鑑賞して改めて本作の大沢さんは本当に大変だったと思う」と労う。続けて、ケニアロケに参加した石原が現地の日々を楽しんだことを笑顔で語り「初めて行ったアフリカで人生観が変わりました。夢のような時間でした」と瞳を輝かせたものの、唯一悩まされたのは「ハエ。良いシーンになると不思議とたくさんのハエが顔に……」と女性らしい思い出を明かす。さらに「大沢さんは竜巻に襲われて大変でしたよね?」と、話題を大沢に。大沢は「自然を前に、誰も助けてはくれませんからね、体を小さくして耐えました。スタッフは自身の機材を守っていたので」と過酷な体験をさらり述べた。
終始アフリカの話が占めるなかで、五島列島ロケのみに参加した真木と鈴木。長崎出身のさだは「英語の台詞だけでなく長崎弁にも字幕があったほうがいい気がする」と提案、ネイティブでも理解できない言葉があると指摘する。真木は現地の方々が出演していることに触れ改めて協力に感謝。鈴木は「(劇中の)ケニアと五島列島のバランスを気にかけていただければ」とアピール。とはいえ、鈴木は「心の中はアフリカ行きたかった。世界遺産がいっぱいあるんですよ」と心情を吐露して笑いを誘うなど、和やかな場となった。
なお、3月8日実施の本作の特別試写会の申込みを、映画公式サイト( )にて受付中。
映画『風に立つライオン』は2015年3月14日[土]より全国東宝系にて公開
日本映画/139分
英題=The Lion Who Stands in the Wind(2015)
日本公開=2015年3月14日
配給=東宝
公式サイト
©2015「風に立つライオン」製作委員会