[シネママニエラ]映画『ラブストーリーズ コナーの涙』『ラブストーリーズ エリナーの愛情』のヒットを記念して、NY通のコラムニスト山崎まどか氏がトークイベントに出席した。(文化と出会い)
エリナーの実家や、コナーとエリナーが暮らしていたアパートに共通するモチーフが隠されていて、それは映画のポスターなんです。それをよく見ると、タイトルが映画にひっかけてあって、「男女で物語が違うよ」と伝えている。ふたつとも違う映画のポスターなのですが、両方とも「男と女」という意味になる。どちらとも有名なフランス映画で、憎い演出ですね。
本作のスタイリスト、ステイシー・バタットはソフィア・コッポラの『Somewhere』『ブリングリング』、『ブロークンイングリッシュ』なども手がけてしますが、生活感のあるスタリングが得意。いわゆる「映画の衣装」というよりも、実際にいるリアルなセンスのよい女の子の雰囲気をよく捉えている。こういう映画だから、とこれ見よがしに狙っていないところがよい。ハイブランドだけでなく、ファストファッションも組み合わせて上手にやれる人というイメージです。
エリナーのファッションは、シャープでミニマル。ジェシカ・チャステインがスレンダーだということと、場所がニューヨークだから許されるというものありますね。ガーゼやオーガンジーのような薄い生地の服をよく着ていてランジェリーの透けている。そういうところに、もろい感じが表れているなと思います。すごく素敵なスタイリングですが、日本でやったら二度見されちゃいそうですね(笑)ニューヨークの夏が暑いので構ってられないのもあるかもしれませんが、エリナーのファッションはセクシーになりすぎず、上品でいいなと思います。(2作品の間で、同じシーンでありながらそれぞれ服装が違っていることについて)、記憶をたどって映像化するとこうなるんだというのがとても面白いです。これは本当に主観についての映画。
アメリカ映画/95分、105分
原題=THE DISAPPEARANCE OF ELEANOR RIGBY:HIM and HER
日本公開=2015年2月14日
配給=ビターズ・エンド、パルコ
公式サイト http://www.bitters.co.jp/lovestories/
©2013 Disappearance of Eleanor Rigby, LLC. All Rights Reserved