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永瀬正敏「河瀨監督の『あん』には芝居ではなく魂を残した」

[シネママニエラ]河瀨直美監督の新作映画『あん』の完成披露試写会が4月6日に開催され、主演の樹木希林をはじめ、永瀬正敏、河瀨監督、内田伽羅、ドリアン助川(原作者)が揃って登壇し上映前の舞台あいさつを行った。永瀬は、16年ぶりに(関係者向けの初号)試写会に出向いたそうで、その鑑賞後に「本作にはお芝居を残したのではなく、魂を残した」と、河瀨監督に述べたというほどの渾身作。

ドリアン助川、内田伽羅、樹木希林、永瀬正敏、河瀨直美監督

映画『あん』予告編

この日の舞台あいさつの永瀬は開口一番で「うれしいです! やっと観てていただけるということで」と心情を吐露し、続けて「僕も30何年間役者やっていますけど、舞台あいさつにサンダル姿は初めて(苦笑)。楽しんでいただければ」と客席に語り掛けた。

そして、本作の撮影を振り返ることに。「河瀬さんの演出は現場にお芝居をもっていてはいけない、役のままでいることが求められました。なので『(樹木の役柄)徳江さん、おはようございます』はよくても、『樹木さん、おはようございます』はダメということで。(樹木希林という)大先輩がいらっしゃるのに、申し訳ない」と語る。

すると、樹木が「(永瀬は)すごくえらかったの。ケータリング(の温かい食事が)がきても、コンビニ弁当を食べているの。『そういう役だから』って。でもね、監督にそうさせられるのだけど、(監督は)やさしい顔してじっと見てるの」と、河瀨組のストイックな現場の様子を明らかに。作品に対する一切の妥協のなさを伺わせた。

結局、この舞台あいさつの間に、永瀬は(相槌のみで)一言も撮影時の苦労を口にしなかったのだが、慮った河瀨監督は、「(映画化の企画がすすんで、出演してもらうために)永瀬さんを口説いて。桜の時期にスケジュールが空いていたのは奇跡。(本作のためには)コンビニもですし、どら焼きをつくる訓練をして、お風呂のない部屋で過ごしていただいて、銭湯やコインランドリーにも行っていただいた」と、当人に代わりエピソードを披露。

そんな永瀬だが、司会者から生まれ変わったら?というお題に対して、即答で「モックン(内田の父親で俳優の本木雅弘)」と一言。その理由を「可愛い娘(=内田伽羅)と素敵な息子が、素敵なおばあちゃま(=樹木希林)も」としつつ、「なかなか難しい質問ですね、難しいです」と照れていた。そして、「(内田の女優ぶりには)見たらびっくりすると思います。最初と最後で顔がちがいます」と声を大にして言い切った。

日本・フランス映画/113分
公式サイト http://an-movie.com/
配給=エレファントハウス
©映画『あん』製作委員会/Comme des Cinémas/Twenty Twenty Vision

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