[シネママニエラ]戦後70年。ユダヤ人少年が過酷な運命を勇敢に生き抜いたという感動の実話を基にした映画『ふたつの名前を持つ少年』が終戦記念日の8月15日より日本公開となる。
ユダヤ人強制住居区から脱走した、8歳の少年の目から観た世界を描くヒューマンドラマ。生き別れになった父との約束を胸に、明日の希望を信じてユレクのたった一人の命の旅は続く。
小さなノーベル賞と言われる「国際アンデルセン賞」を1996年に受賞した、児童文学作家ウーリー・オルレブ著「走れ、走って逃げろ」が物語のベースとなっている。実はオルレブ氏自身、ユダヤ人強制収容所、隠れ家生活の体験者とのこと。
映画『ふたつの名前を持つ少年』あらすじ
1942年、ポーランド。ユダヤ人強制住居区から脱走した8歳の少年スルリックは飢えと寒さで行き倒れとなり、ヤンチック夫人に助けられる。スルリックを匿った夫人は少年が一人でも生き延びられるよう、ポーランド人孤児ユレクとしての偽りの身の上話を覚えこませ、追っ手から逃がす。ユレクは物怖じしない笑顔で、ヤンチック夫人に教えられた通りに嘘の身の上を語り、寝床と食べ物を求めて農村を一軒ずつ訪ね歩く
[スタッフ]
監督=ペペ・ダンカート
原作=ウーリー・オルレブ著「走れ、走って逃げろ」母袋夏生訳(岩波書店)
[キャスト]
アンジェイ・カクツ、カミル・カクツ、ジャネット・ハイン、ライナー・ボック
ドイツ、フランス映画/108分
原題=RUN BOY RUN(2013)IMDb
日本公開=2015年8月15日
配給=東北新社
公式サイト http://www.futatsunonamae.com/
© 2013 Bittersuess Pictures
映画『ふたつの名前を持つ少年』予告編
© 2013 Bittersuess Pictures
映画『ふたつの名前を持つ少年』は、2015年8月15日[土]よりヒューマントラスト有楽町ほかにて全国公開
映画『ふたつの名前を持つ少年』日本版ポスター
© 2013 Bittersuess Pictures
映画『ふたつの名前を持つ少年』は、2015年8月15日[土]よりヒューマントラスト有楽町ほかにて全国公開
配給=東北新社
映画『ふたつの名前を持つ少年』場面写真
© 2013 Bittersuess Pictures
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映画『ふたつの名前を持つ少年』は、2015年8月15日[土]よりヒューマントラスト有楽町ほかにて全国公開
配給=東北新社
映画『ふたつの名前を持つ少年』原作・関連
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映画『ふたつの名前を持つ少年』は、2015年8月15日[土]よりヒューマントラスト有楽町ほかにて全国公開
配給=東北新社
映画『ふたつの名前を持つ少年』を観てきた
戦後70年。今年はいつにもまして戦争映画の公開が多い。内容、切り口はさまざまだ。
映画『ふたつの名前を持つ少年』は、ヨーロッパの国ポーランド(poland)が舞台。ユダヤ人強制住居区から脱走した少年の姿に観客も(訳本のタイトルと同じく)「走れ、走って逃げろ」と思わされる内容になっている。
正直、野蛮な行いの数々には目をそむけたくなるシーンもある。しかし、特殊環境下の人間が感化(服従の心理)されやすいことを、我々は忘れてなならないと思う。同じ過ちを繰り返さないためにも。一方で、勇気を持ち、ユダヤ人とわかっていながらも知らないふりして手を差し伸べる人々がいることが救い。偏らずに描いているのがいい。そういうポーランド人の道義があったからこそ、映画のモデルとなったヨラム・フリードマン氏はご健在。現在はイスラエルでお子さんとお孫さんに囲まれて暮らしているそう。
なお、本作の主人公スルリック|ユレクを演じたのは、アンジェイ・カクツ、カミル・カクツの双子くん。顔立ちはそっくりだけど、鑑賞の間に感じたのはシャープさが異なること。といっても、どちらがどのシーンを演じているのか明らかではないので、勝手な思い込みかもしれないが。
映画『ふたつの名前を持つ少年』は、2015年8月15日[土]よりヒューマントラスト有楽町ほかにて全国公開
配給=東北新社
ポーランド政府観光局
http://www.poland.travel/ja/
ポーランドってこんな国。観光局のサイトだけあって、素敵なお写真がいっぱいです。イチオシは街をパノラマで捉えた写真。ワクワクさせられます。