ヴィゴ・モーテンセンが主演!カミュの短編を大胆脚色した映画『涙するまで、生きる』
[シネママニエラ]日本でも人気の俳優ヴィゴ・モーテンセンが主演し、フランス領アルジェリア出身の哲学者にして小説家のアルベール・カミュ著の短編小説を実写化した映画『涙するまで、生きる』。その日本公開が5月30日に決まった。
ノーベル文学賞作家アルベール・カミュの短編集「転落・追放と王国」収容の「客」に臨んだのは、新進気鋭フランス人監督のダヴィド・オールホッフェン。脚色ポイントは「ダリュとモハメドとの関係性です。それにより、カミュの物語とははっきりと違ったエンディングに」した。フランスとアルジェリアの争いに巻き込まれながらも、人種を超えて心を通わせていく、ふたりの男のヒューマンドラマだ。
主演のヴィゴ・モーテンセンが、かつてないほど人間味豊かな役を熱演し、第71回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門出品時にも高く評価された。囚人を演じたのは、アルジェリア系移民の父を持つレダ・カテブ。音楽はニック・ケイヴとワーレン・エリス。
1999年まで「アルジェリア戦争」と公式に呼ぶことさえ認めず、長らくタブー視されてきたフランスにとっての暗部とされる戦争の本質をつく見事な脚色が絶賛された。アトラス山脈で撮影された本作は自然光を巧みにとりいれた映像も見ごたえあるものになっている。
映画『涙するまで、生きる』は2015年5月30日[土]よりイメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー
映画『涙するまで、生きる』あらすじ
1954年のアルジェリア。人里離れた荒地で子ども相手に授業を行う元軍人の教師ダリュのもとに、殺人の容疑をかけられたアラブ人モハメドが連行されてくる。裁判にかけるため、山を越えた町に送り届けるよう憲兵に命じられ、ダリュはやむを得ずモハメドを連れて町へ向かう。復讐心からモハメドの命を狙う者たちの襲撃、反乱軍の争い、共に危険を乗り越える内に、二人の間には友情が芽生え始めるが。
日本公開=2015年5月30日
字幕翻訳=横井和子
配給=RESPECTレスペ、スプリングハズカム
公式サイト www.farfrommen.com
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