[シネママニエラ]12月18日、映画『最後の忠臣蔵』の初日舞台挨拶にて、本作に携わった日本映画の匠たちから、縁の深い出演者へのお手紙をサプライズで披露するという、粋な演出がなされた。(手紙の全文はこちら)
「時代劇にこそ日本人の心がある」と語る、役所広司には、映画美術界の巨匠・西岡善信さんから。佐藤浩市へは、本作で27年前ぶりのお仕事となった脚本家の田中陽造さんから。そして、桜庭ななみへは、杉田成道監督からお手紙を披露。本作の美しいBGMが流れる中、心のこもったお手紙による感謝の意と、感動の涙によって会場全体が包み込まれる素晴らしい舞台挨拶となりました。
桜庭ななみは、監督の手紙を読み、感動し涙にむせぶ。そして「杉田監督から、クラインインの1ヶ月前からお稽古をつけて頂いて、発声の仕方から何から、ワンシーンワンシーン本当に丁寧に教えて頂きました。撮影に入ってすごく緊張したんですけど、監督に1ヶ月間教えて頂いたことを思い出すと、なぜかほっとしました。でも私の誕生日に夜中の11時までリハーサルされて、「コノヤロウッ!」って思ったんですけど(泣笑)、でもこうやって初日を迎えられて、皆さんにたくさんの拍手を頂くことができて、本当に、監督のおかげだなと思ってます。そして監督以外にも役所広司さんや佐藤浩市さん、他のキャストの皆さんやスタッフの皆さん、本当に支えてくれました。だからこの場所にいま立てているんだと思います。本当に皆さん、ありがとうございました! そして……この映画の公開が終わっても、監督も役所さんも佐藤さんも……私のこと忘れないでください(号泣)」
可憐な桜庭の素直な反応に、名監督も心を打たれ、次の発言に。
「本当に何も言うことがありません。。。本当に、とにかく、役所さん、佐藤さん、桜庭さん、本当にありがとうございました。この場を借りて、感謝をさせて頂きたいと思います。ありがとうございました。それから、この先は観客の皆さんがこの映画を育ててくれると思っています。是非一人でも多くの方々に、伝わっていけば良いなと思っております。どうもありがとうございました」
映画『最後の忠臣蔵』とは?
池宮彰一郎の同名小説を実写映画化。様々な形で今も語り継がれている史実・忠臣蔵。大石内蔵助以下、赤穂浪士四十七士の討ち入り、切腹というクライマックスは本当の結末ではなかった。誰もが知っている忠臣蔵の誰も知らない本当の結末を描く作品。
人気ドラマシリーズ「北の国から」の杉田成道監督が、世代を超えて語るべき本物の感動を贈る。主演の孫左衛門に役所広司、吉右衛門には佐藤浩市といった日本映画界を担う2大演技派俳優の競演も話題。桜庭ななみは、大石可音(かね)役を演じた。
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日本公開=2010年12月18日
配給=ワーナー・ブラザーズ映画
公式サイト http://www.chushingura.jp/
©2010「最後の忠臣蔵」製作委員会
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◆原作はこちら
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桜庭ななみ様、本日公開初日を迎えたこの時をもって、僕らは『最後の忠臣蔵』の全てを作り終えたと言えます。映画が日の目を見るこの日が、僕らの千秋楽です。お別れのときが近づきました。君はよくがんばりました。1ヶ月に及ぶ長い長い稽古の日々。寒い寒い撮影の2ヶ月。随分と年の離れた大人たちの中でただ一人、同年代の友達もなく、緊張と孤独に打ち震え、暗闇を手探りで進んでいこうとしている君の姿は、あくまでも健気で美しく、僕ら大人たちの胸を打ちました。本当によくがんばりましたね。長い間、世話になったのう。瞬く間に過ぎていったその一瞬一瞬が心に残ります。人は出会い、別れ、また出会い、いくつもの出会いと別れの中で珠玉の思い出を残していく。その小さな宝石がたくさんたくさん集まって、大きな女優を育てていく。いつか君もきっとまばゆいばかりの宝石をもった、大きな女優になることでしょう。そのとき、17歳のこの一瞬、この出会いが、君の中で輝きの一瞬にならんことを。また出会うことを夢見て、いま別れよう。さようなら。また会う日まで。