大泉洋「原田監督は『カット』がスリーテンポ遅い!」

『駆込み女と駆出し男』続編は大泉洋の集中砲火で幕開け?!

映画会見/イベントレポート

[シネママニエラ]“雨男”俳優の大泉洋が主演した映画『駆込み女と駆出し男』初日舞台あいさつが、”雨天”の5月16日に行われ、大泉をはじめ戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名、武田真治、キムラ緑子、原田眞人監督が登壇した。登壇者は撮影秘話を語り、監督からは続編の構想が語られた。

映画『駆込み女と駆出し男』初日舞台あいさつ
左から武田真治、内山理名、戸田恵梨香、大泉洋、満島ひかり、キムラ緑子、原田監督

物語は質素倹約令が発令された江戸時代後期。鎌倉には離縁を求める女たちが駆込んでくる幕府公認の縁切寺の東慶寺があった。駆出し医者で戯作者にも憧れる信次郎(大泉)は、おばで柏屋の主人・源兵衛(樹木希林)のもとに居候して、源兵衛と共に離縁調停人として男女のもつれた糸を解きほぐし問題解決にあたる姿を描く。

満島からは、「大泉さんはマスコミが入ると声質が変わるんですよね、イケメン風に」とイジられる一幕も。原田監督の中では既に続編の構想があるそうで「うまく行けば、続編作れるかなと(笑)。大泉さんがプロモーションで頑張ってくれて感動していたんですが、テレビ番組で学者たちに性格分析されて、集中砲火を浴びせられているところを見て、こういうシーンを信次郎の夢にして、続編の導入部分にいいかな、と」披露するや、客席からは大きな拍手が。大泉のキャラクターを生かした物語が誕生しそうだ。

映画『駆込み女と駆出し男』場面写真
©2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

そんな本作の撮影の日々について。まず、大泉は「つらかったのは首を吊られるシーンです。スタントの方と途中で代わるはずだったのに、カットがかからず、結局最後まで吊られて。世の中の監督に言いたい!『カットは早く言ってくれ!』と。こういう生死が分かれるシーンはね!(笑)」。すると、戸田も続けて「満島さん演じるお吟さんをおぶって石段を上がるシーンですね。足元おぼつかない中、人の命を預かってる!絶対離さない!って思いながら一歩一歩のぼるんですが、カットが遅くて・・・」と吐露。

さらに戸田演じるじょごの暴力夫役の武田が、劇中のバイオレンスシーンに言及。「特に段取りとかなくて台本に『蹴り上げる』と。戸田さんに『左肩を蹴るけど、パッド入ってる?』って聞いたら、『入ってないですけど、このままでいいです』と。え、戸田さんて、そういうタイプ?」とびっくりした覚えが(笑)。いざ蹴ったら、障子にバチンて当たって痛そうで、なのに監督が『今の良かったから、ヨリで撮ろう』と言い出して、僕、戸田さんを2回蹴ったんです」と恐縮しきり。戸田は「蹴り方上手だったので、痛くなかったですよ!」とフォローし気遣った。

監督は「大泉さんをモニターを見ていたら、いい顔してたもんだから、ワンテンポ遅れちゃったんだよね(笑)戸田さんのことはモニターで応援してたんですよ、あともう一歩で主演女優賞だぞって(笑)」「女たちが虐げられている重要なシーンなので、編集で武田さん演じる重蔵が残酷な男だとわかるようにしたかったんですよ」と言い訳?! 良作誕生の背景に監督の妥協なさがにじむ。

卓抜した手腕を発揮した原田監督は「ここにいる素晴らしいキャスト、そしてスタッフ全員、大傑作を作ったと思っております。これを名作に育ててくださるのは皆さんの力です。ここから出たら、「書き込み女と書き出し男」になってぜひ口コミで広げて」というウィットに富む呼びかけをしアピールした。

日本映画/143分
日本公開=2015年5月16日
配給=松竹
©2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

大泉洋『駆込み女と駆出し男』の陽月華に嫉妬?!
作品情報
予告編
日本版ポスター
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