本作は映画配給・東映の戦後70年作品で、大川悦生著の児童文学を基にしたヒューマンドラマ。突然はじまった戦争により、懸命に育て上げた7人の我が子の出兵のたびに桐の木を植え、息子の帰還を待つ母親ミツの姿を描く。鈴木は本作の出演を機に、桐の刺繍が施された着物をしつらえたことを語り、この日初めて袖を通したという。舞台あいさつには田辺誠一と磯村一路監督も登壇した。
「冬の間、監督を先頭にスタッフ。キャストが一生懸命取り組んだ作品が、あともう少しで皆さんに観ていただけると思うとうれしいです。悲しいお話ではありますが、母親と子どもたちの優しい愛に満ちた映画だと思っています。戦争中に自分の思いを押し込めて暮らす母親の気持ち。子どもを(戦争に)送りだす場面は、七つの別れを演じるのは難しいと思いましたけれども、実際に体験したら自然とそういう気持ちになりました。三浦(貴大)くんが演じた二郎の見送りは、卵焼きが美味しくできているといいなという思いになっていました」
「(かけがえのないものは?)毎日、当たり前のように過ごしているけれども実はかけがえのない時だと改めて感じました。信じる気持ち、希望をなくさないこと」
「戦争映画ではありますが、僕は家族の物語だと思っています。観る方が自由に感じていただければいいと思いますが、本作は身近な方を思いながら見ていただくといいかな、と。(劇中で)出征するときの気持ちをどう表現するかさんざん悩みました。お国のため、そのお国のとは、家族や自分の周りの人を守るため受け止めた。ですが、いざ現場に入ったら自然と感じられました。京香さんがおかあさんで良かった」
「(かけがえのないものは?)家族も一つあるんであうけども、自分。自分を大切にして、そこから感謝を膨らませることができると思う」
「京香さんのお母さん役は、日本人のDNA にあるお母さん像にぴったりだった。本作の時代設定は自分の祖父母世代だと思う。劇中は7人兄弟が登場するけれども、自分の父親は6人兄弟で、その当時はご近所の子どもも我が子と同じように目を配っていた。台本段階から本作には普遍的な温度を感じた」
「(かけがえのないものは?)自由な感覚。子どもの頃からあれをしてはいけないといったことで制限されたことがない。自由な感覚が自由な発想につながると思う」
「映画館は笑いや涙が伝播(でんぱ)する場所。涙もろい方はいらっしゃいますか? 今日はその方が頼りです! 遠慮なさらず、俳優さんを見つめて、リラックスしてご覧ください」
「(かけがえのないものは?)『おかあさんの木』の観客のみなさま。七人の子にちなんで、ずうずうしいですけども、ぜひ7人に(本作の)ご案内をお願いします」
映画『おかあさんの木』は、2015年6月6日[土]より全国公開
日本映画/114分
日本公開=2015年6月6日
配給=東映
公式サイト http://www.mothers-trees.com/
©2015「おかあさんの木」製作委員会
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