[シネママニエラ]映画『息もできない（英題:Breathless）』は、韓国の俳優であるヤン・イクチュンが製作・監督・脚本・編集・主演の５役を務めて監督デビューした作品です。
家庭内暴力で心に傷を負うチンピラ男と女子高校生を描く人間ドラマで、第10回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品し、最優秀作品賞と観客賞の２冠に輝きました。
本作を一言で表現するならば、「魂にヤラレた?!」です。
やっぱり“魂”が必要だよね！
技術はあるにこしたことはない。
けれども、技術だけでは人の心を揺さぶる映画はできない。 ――と、思わされた作品。
都会の片隅、やっと出会えたふたり
工場労働者の町で、債権回収業者で働くサンフンは、暴力的な取り立てや強制撤去を日々、繰り返す。
そして、傷ついた心をかくした勝気な女子高生ヨニ。そんなふたりの出会いは、今まで見えなかった人生の希望になるはずだったが。
ふたりに共通していたのは、
・崩壊した父子関係
・貧しい生活
・不器用な性格
・繊細な心
しかし、彼らの思いをよそに、運命の歯車が軋みをたてて動きはじめる…。
『息もできない』予告編（日本語字幕付き）
英題＝[Breathless]
2008年韓国映画/130分/R-15
日本公開＝2010年3月20日
配給＝ビターズ・エンド、スターサンズ
公式サイト http://www.bitters.co.jp/
ご贔屓の奇才監督キム・ギドクを思わせるテーマで、周囲（マスコミ）の評判も高かった作品です。ただ、予備知識ゼロ＝フラットな状態で観たくて。「韓国映画、監督デビュー作」という程度で鑑賞しました。主演＝監督というのも鑑賞後に資料（＝プレス）で知ったぐらいでして。見逃さなくて良かったし、忘れられない作品となりました。
映画を見てから、熱冷めやらず。ノベライズもいっきに読んでしまうほど。映画の当該場面が、脳裏に浮かび。せつなさが込みあげてくるのでした。
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