[シネママニエラ]映画『バケモノの子』の完成披露試写会が東京国際フォーラムにて開催され、監督とキャストによる舞台あいさつが行われ、役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、大泉 洋、リリー・フランキー、津川雅彦、そして細田 守監督が登壇した。大泉をいじり倒すなどベテラン勢による軽妙なトークが展開した。
オープニングは、劇中キャラクターのチコ(愛らしい白い生きもの)をかたどった発泡ウレタンが雪のように舞う中で、幕が上がるという演出だったが、リリーが「争いはよくないよね、という作品を観たあとにチコを奪い合っている姿を目にして……切ない」とポツり。続けて大泉も「(立ち位置は舞台上の)板付きで皆さんの前に立つのでどのような顔でいればいいのかドキドキしていたものの、いざ幕が上がったらみなさんチコに夢中で、自分たちのことはまったく見ていなくて」とボヤく。
独走したのは大御所の津川で、自身の起用理由を創作。「生まれが兎年なので兎の導師の役がきたと解釈している」と話し、劇中では「人間界とバケモノ界の異端児のふたりを真っ先に認める人物であり、そのことを周囲に納得させるための品性が必要な役なので、自分こそふさわしい」という持論と、加えて「娘を育てた経験があることで自分は父親として成長させてもらった」という経験語りに、一行は耳を傾ける。先に行われた会見により、本作のキャスティングが「顔ありきの配役」というニュース報道が広まったが、この場で細田監督は「顔」と端的に理由づけたが、それには「人柄や雰囲気なども加味した総合判断」だと補足。
ようやく動物顔疑惑が晴れたところで、役所が「大泉くんは台本読んでない」と真顔で爆弾ネタを投下! 「あなたが言うとみんなが本気にする!」とオロオロする大泉に客席は大爆笑。「役作りに苦労して脇汗ダラダラ流して、何も考えずに仕事しているわけではないんです」と全否定するものの、役所は「軽ぅーくやってるんですよ」と疑いのまなざしを向けてニヤニヤ。たまらず大泉は「軽いのは僕ではなくてリリーさんです!」と、リリーに振ったものの、リリーからは「僕は元気がないだけですから」と返り討ちにあう展開に大ウケ。ウィットの効いたやりとりによって、観客を大いに楽しませていた。
本作はスタジオ地図・細田守監督の最新作。人間界とバケモノの世界を舞台に、ある少年の冒険譚を通して、絆と成長を描く心温まるアニメーション作品。既に36の国と地域での配給が決定している。バケモノ級の大ヒットが見込まれる作品として大きな注目を集めている。
日本公開=2015年7月11日
配給=東宝
公式サイト http://www.bakemono-no-ko.jp/
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