映画『虐殺器官』
原作は「一人称で戦争を描く。主人公は成熟していない、成熟が不可能なテクノロジーがあるからである」というコンセプトで書き進められたという。リアルで鮮烈な戦闘シーンと内省的で繊細な心理描写の両面を描くことが出来る映像作家・村瀬修功と、『Ergo Prxy』のスタジオmanglobeが組んだ。
映画『虐殺器官』あらすじ
9.11以降、テロとの戦いを経験した先進諸国は、自由と引き換えに徹底的なセキュリティ管理体制に移行することを選択し、その恐怖を一掃。一方で後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。世界は大きく二分されつつあった。
「虐殺を引き起こす器官」の真実
クラヴィス・シェパード大尉率いるアメリカ情報軍特殊検索群i分遣隊は、暗殺を請け負う唯一の部隊。戦闘に適した心理状態を維持するための医療措置として「感情適応調整」「痛覚マスキング」等を施し、更には暗殺対象の心理チャートを読み込んで瞬時の対応を可能にする精鋭チームとして世界各地で紛争の首謀者暗殺ミッションに従事していた。
そんな中、浮かび上がる一人の名前。ジョン・ポール。数々のミッションで暗殺対象リストに名前が掲載される謎のアメリカ人言語学者だ。彼が訪れた国では必ず混沌の兆しが見られ、そして半年も待たずに内戦、大量虐殺が始まる。そしてジョンは忽然と姿を消すという。彼が、世界各地で虐殺の種をばら撒いているのだとしたら。クラヴィスらは、ジョンが最後に目撃されたというプラハで潜入捜査を開始する!
「この作品のオーディションを受けたのは昨年2014年。当時34歳の自分は、このタイミングで伊藤計劃氏の作品へ参加できるかもしれないという事に、不思議な縁を(勝手に!)感じていました。戴いたクラヴィスという人物。お話は彼が中心となって描かれています。軍人であるクラヴィスが自身の世界で何を感じどう行動していくか。たった一つの言葉が生み出すもの。ほんの少し、自分の今いる場所から、壁一枚隔てた先で現実に存在する『死』というものを彼が認識した時、『虐殺器官』と出会った時に、一体何を思うのか。観終わった後、幾通りもの解があると思います。ハッピーエンド? バッドエンド? 全てを劇場で確かめていただければ幸いです。そして世界は『ハーモニー』へ。」
[スタッフ]
原作=「虐殺器官」伊藤計劃(ハヤカワ文庫JA)
監督・脚本=村瀬修功 キャラクター原案=redjuice
デザインワークス=荒牧伸志/山根公利/臼井伸二/神宮司訓之/山田正樹
美術監督=田村せいき 色彩設計=茂木孝浩
撮影監督=山田和弘、中西康祐 CGディレクター=増尾隆幸
アフレコ演出=長崎行男 編集=長坂智樹
音楽=池 頼広
主題歌=「リローデッド」EGOIST(ソニー・ミュージックレコーズ)
アニメーション制作=manglobe → ジェノスタジオ
制作=Project Itoh
[キャスト]
中村悠一 三上 哲 石川界人 梶 裕貴 小林沙苗 大塚明夫 櫻井孝宏
[CV]
クラヴィス・シェパード=中村悠一
ウィリアムズ=三上哲
リーランド=石川界人
アレックス=梶裕貴
ルツィア・シュクロウポヴァ=小林沙苗
ロックウェル大佐=大塚明夫
ジョン・ポール=櫻井孝宏
日本映画/115分 R指定
英題=GENOCIDAL ORGAN(2015)IMDb
日本公開=2015年11月13日 → 延期 → 2017年2月3日[金]より
配給=東宝映像事業部
公式サイト project-itoh.com