2月9日、韓国映画『悪魔を見た』のジャパンプレミアが新宿ミラノ1にて行われ、主演のイ・ビョンホンとキム・ジウン監督が登壇した。同作は、本国で(最初のバージョンに)上映許可が下りなかったという逸話があるほど壮絶な復讐劇。それだけに多くの女性が集まった上映後の舞台あいさつでは、ショックを受けたと見受けられる客席に対し、監督が開口一番に「ごめんなさい」と日本語で詫びる一幕もあった。
イ・ビョンホン映画『悪魔を見た』で来日、観客に謝罪?!
続けて「復讐行為ではなく、人間の感情を描きました。これは愛する女性を失った男の復讐劇でもあり、愛に重きをおくラブストーリーの側面もあると伝えたかったのです」。なおかつ本作で恐怖心を抱いたとしたら「それは監督の演出ではなく、俳優イ・ビョンホンとチェ・ミンシクの演技力によることろが大きい」と述べると、今度はビョンホンが「ごめんなさい」と、やはり日本語で謝るという一幕も。
そのような作品への出演を問われたビョンホンは「監督とは個人的に食事に行く間柄。あるとき僕のスケジュールが空いていると知った監督から、本作の脚本を渡されたんです。これまでの出演作は脚本を一気に読むほど惹きつけられ作品ばかり。本作も一気に読みましたし痛快な復讐劇になると思った」と語ったが、実はその脚本は最終稿ではなかった。すると監督が「本来のものだと壮絶すぎて断られそうなので、少しばかり描写を控えた脚本を渡した」と告白して、2人は壇上で苦笑い。
普通なら“だまされた!”などと訴訟問題になりそうなエピソードだが、これまでに映画『グッド・バッド・ウィアード』や『甘い人生』とタッグを組んできた2人だけに、そんな心配は無用だ。むしろ本作はイ・ビョンホンの演技力の高さを証明してみせた作品に仕上がったと言える。だからこそ、監督はビョンホンの魅力を「しっとりと潤った眼差しと甘い声はビョンホンの魅力。それは努力して備わるものでなく天性のもの」と発言し、場内のビョンホン・ファンから大きな拍手を受けていました。また、イ・ビョンホンが「分からない部分があったら何度も観てください」と語りかけると、客席は拍手でこたえた。
映画『悪魔を見た』は、婚約者を殺人鬼に殺された男・スヒョン(イ・ビョンホン)の復讐する過程を映すもの。時間経過とともに、イ・ビョンホンの変わりゆく様は、ファンを驚かすことだろう(右の写真は、プレミアの最中にクールな表情を見せた瞬間)。直接描写は多くないが、想像力を掻き立てる監督の演出手腕がいかんなく発揮されている。なお、相手役は『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク。韓国を代表する演技派俳優ふたりの競演は、一見の価値あり!
英題=I SAW THE DEVIL
日本公開=2011年2月26日
配給=ブロードメディアスタジオ
公式サイト http://isawthedevil.jp/
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