映画『起終点駅 ターミナル』完成披露会見カバー

佐藤浩市『起終点駅 ターミナル』本田翼を叱責…今の若者を学ぶ?!

映画会見/イベントレポート

本田翼、映画『起終点駅 ターミナル』完成披露会見にて
本田翼
[シネママニエラ]北海道・釧路で約1か月をかけて撮影し、ついに完成を迎えた映画『起終点駅 ターミナル』について佐藤浩市、本田翼、中村獅童、和田正人、篠原哲雄監督が会見に登壇。佐藤は「人は自分勝手な想いを持ちながら、傷つき、また救われる。そういう想いを繰り返して生きているという事を描いている作品です」と挨拶した。

映画『起終点駅 ターミナル』作品情報・予告編

本作の原作は、「ホテルローヤル」で第149回直木賞を受賞し、ベストセラー作家となった桜木紫乃さんが、2012年に発表した短編集 「起終点駅 ターミナル」。かつて恋人の死をきっかけに検事の職を捨て、家族とも離れ、釧路に流れ着いて以来、 国選弁護人の仕事しか受けずに、人と深く関わることを避け、 身を潜めるように生きている鷲田完治が主人公。人生の終わりへと向かっていたはずの男は、覚醒剤事件の被告人の女・椎名敦子と出会い、孤独を分かち合い、そしてそれぞれの新たな人生を歩きはじめる物語。

佐藤は「桜木先生の原作はどこか欠落している人々が前を向いて歩いていくという事が描かれています。その60ページの原作を2時間という映画に肉付けするために篠原監督と色々と話し合いました」と語れば、監督は「罪を背負っている、と自分を罰している男がどんな風に再生していくか、原作の良さを引き出すために相談しましたね」と振り返る。

これまでの等身大の役柄とは離れた敦子を演じるために本田は「今回の役は家族背景が複雑であったり、恋人が犯罪者であるという女の子なので、あまり共通点はないと思っていたんですね。でも完治さんと一緒にいる事で敦子の普通の女の子である部分も見えてきて、役を演じている上で自分と似ている部分を見つける事ができました」と語り、実は「監督とワークショップのような形で撮影前にお稽古させていただいて、佐藤さんも何度か来てくださって、色々と教えていただきましたので役をちゃんと自分に重ねてから撮影に入る事ができました。とてもお優しい方です!」と感謝しきりだった。また、劇中の鷲田完治の手料理は、佐藤が実際に仕込みから行っていることも語られ、食べるお芝居のおいしい表情は演技だけではないそうだ。

そんなふたりの交流がわかるエピソードを佐藤が披露。佐藤は本田を叱責。「翼が現場でなんかヘラヘラしていたから怒ったんですよ。そうしたら『えー、だってぇー』って(笑)。でも彼女たちも、もちろん緊張してるんです。でも、それを見せないようにしているのが今の若い子なんだなと。現代のあり方を翼に教えてもらいました」と話す。これに対して本田は「ヘラヘラしていないと思っていたんですが…すみません(笑)。あんまり緊張しないように心がけているんです。でも『えー、だってぇー』とは言ってないですよ。『ええ、そうですか?』だったかと…(笑)」とモジモジ。本田の緊張をやわらげるためのイジリとして、佐藤が「少し脚色しました」と話し、場内はあたたかな笑いに包まれた。

映画『起終点駅 ターミナル』(東映配給)は2015年11月7日[土]より全国ロードショー
公式サイト http://www.terminal-movie.com/

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で