[シネママニエラ]映画『神様の思し召し』(原題 Se Dio Vuole )が第28回東京国際映画祭観客賞に選ばれた。イタリアのエドアルド・ファルコーネ監督が脚本も兼ねたハートウォーミングなコメディだ。
主人公は腕利きの心臓外科医トンマーゾで、傲慢な性格に周囲は辟易している。当人は美しい妻カルラ、長女のビアンカは嫁ぎ、長男のアンドレアは医大に通い跡継ぎへと、充実した日々を送っている気分なのだからのんきなものだ。そんなトンマーゾに与えられた試練とは?
それはトンマーゾは「長男のアンドレアがゲイである」というカミングアウトをいつするのか、その日を迎えることを覚悟していたのだが。実は・・・。
ファルコーネ監督は、伝統的なイタリアのコメディ映画を愛しており、監督第1作となる本作では、身の回りの現実をユーモラスに、かつ世俗的に描くことを目指したという。
聡明なふりをしながら自分の欠点には全く目を向けないような人間たちをモデルに、傲慢な医者のキャラクターを作り、神父との出会いで彼の人生と価値観がひっくり返ってしまうドラマを完成させた。監督は「軽いコメディであるが、軽すぎない」と話す。
不寛容が蔓延する現代社会において、人の心が本来持っている柔軟性と優しさに気付かせてくれる貴重な作品となっている。
映画『神様の思し召し』予告編
© 2015 WILDSIDE
[スタッフ]
監督/脚本 = エドアルド・ファルコーネ
脚本 = マルコ・マルターニ
プロデューサー = マリオ・ジャナーニ
プロデューサー = ロレンツォ・ミエーリ
音楽 = カルロ・ヴィルズィ
撮影監督 = トンマーゾ・ボルグストロム
編集 = ルチャーナ・パンドルフェッリ
衣装 = ルイジ・ボナンノ
[キャスト]
マルコ・ジャッリーニ、アレッサンドロ・ガスマン、ラウラ・モランテ、イラリア・スパーダ、エドアルド・ペーシェ、エンリコ・オティケル
イタリア映画/87分
英題・原題=God Willing [ Se Dio Vuole ]IMDb
日本公開=未定
映画『神様の思し召し』(ギャガ配給)は2016年8月27日[土]より全国公開
公式サイト http://gaga.ne.jp/oboshimeshi/
2015年10月31日 掲載
2016年06月14日 更新[公開初日|公式サイト]