[シネママニエラ]新海誠監督の新作アニメーション映画『君の名は。』の製作発表会見が12月10日に都内で行われ、新海監督をはじめ、声優を務める神木隆之介と上白石萌音、映画会社・東宝の川村元気プロデューサー、製作会社コミックス・ウェーブ・フィルムの川口典孝プロデューサーが揃って、制作中の同作について語った。
本作は少年と少女の恋物語。物語の着想は「古今和歌集」にある小野小町の和歌「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」。そして10か月かけて練りこんだ脚本について、新海監督は「男女のギャップ、心と身体のギャップ、都会と地方のギャップといったものを推進力としてひろげたい」と話す。
キャラクターデザインは田中将賀(『心が叫びたがってるんだ。』他)、作画監督を安藤雅司(『千と千尋の神隠し』他)が務める。新海監督は「今まで憧れていた方々とご一緒できた。隣の席から紙をめくる音、鉛筆を走らせる音が聞こえるだけで泣けてくる。本当に幸せな現場」と語る。
神木隆之介は主人公・瀧(たき)の声をつとめる。「新海さんが大好き」と強調する神木は「『言の葉の庭』の舞台である新宿御苑に何度も通い詰めたほどハマッた」と聖地巡りをすることも吐露。「新海さんの作品は空に緑色が入っていたり別の世界に入りこめる色づかいと心の動きを絶妙に捉えている」と、その魅力を力説。今作では「監督になっとくしていただけるよう僕らは頑張るしかない」と抱負を真摯に述べる。
監督は「(神木とは)まだ数回しかお会いしていませんが、会うたびにみとれています」という相思相愛ぶり。川村プロデューサーは『バクマン。』の時から思っていたという「本作の主人公の台詞には女言葉もあるが顔が思い浮かんでも神木君なら違和感がないし、喜ぶ人もいると思った」との神木を起用した理由の一部も語った。
映画『舞妓はレディ』の上白石萌音は、オーディションを経てヒロインの女子高生・三葉(みつは)の声に抜擢された。「合格の知らせを受けて、信じられなくて思わず自分の頬をつねった。頬をつねるなんてことをした自分に驚いた」と振り返った。まだ恋ゴコロはピンとこないようだが、「脚本を読んで大好きになった。夢で好きな人を見た経験はありませんが、今、高校生の私には恋に対する憧れが強いと思います」と初々しく語り、魅了した。
東宝の夏のアニメーション映画は宮崎駿監督の作品、細田守監督の作品が担ってきた。「分不相応な大舞台」と謙遜する新海監督だが、「老若男女、さらには世界に向けて、2016年を代表するアニメーション作品にしたい。胸を張れる作品にします!」と意気込みを口にした。
映画『君の名は。』(東宝配給)は2016年8月より全国東宝系にて公開
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