[シネママニエラ]舞踊家・田中泯が出演する映画『蜃気楼の舟』は、ホームレスの老人たちに住居を与え生活保護費をピンハネする「囲い屋」の青年が主人公の物語。『今、僕は』の竹馬靖具監督の第二作目。
映画『蜃気楼の舟』あらすじ
主人公の男は、母親を亡くし、父親に捨てられた過去を持つ。友人に誘われたことがきっかけで囲い屋で働き始め、能面のように無感情になった男は、ただ毎日を浪費していた。ある日、ホームレスのひとりに、自らの父を発見する。それまでホームレスたちをモノのように扱ってきたが、父との再会により、初めて揺れ始める男。男の揺れは、彼の日常ともう一つの別の世界とが交わるきっかけとなる。導かれるように父を連れて囲い屋を出た男は、自身の欠落を問うために車を走らせる。現実ともう一つの世界の間を揺れ動くドライブの中で父と訪れた廃墟には、母親の幻影がさまよっていた。そして、並行して描かれる、現実と幻想の狭間を航海する一艘の舟の意味するものとは...
映画『蜃気楼の舟』予告編
©chiyuwfilm
映画『蜃気楼の舟』(アップリンク配給)は2016年1月30日[土]より渋谷UPLINKほか全国順次公開
公式サイト http://www.uplink.co.jp/SHINKIRO_NO_FUNE/