佐藤健「今年はネコ年!映画『せか猫』一人二役はチャンスとピンチ」
[シネママニエラ]俳優の佐藤健が1月20日、主演映画『世界から猫が消えたなら』(略称:せか猫)の完成報告会見に出席し「今年(の干支)は申年ですが、僕にとっては猫年です」と抱負を述べ、キャリア初の一人二役に臨んだ気持ちなどを語った。この会見には、東宝株式会社取締役の市川南(製作)、株式会社博報堂DYメディアパートナーズの春名慶(プロデューサー)、永井聡監督、川村元気(原作者)も登壇した。
本作は、川村元気著の累計100万部を突破したベストセラー小説を基に映像化。自身の死期を提示された郵便配達員の青年が、一日分の命と引き換えに悪魔と等価交換の取引する過程で人生を悟る様が描かれていく感涙作。2014年10月より北海道の函館と小樽、アルゼンチン、ブラジルなどでロケ撮影を敢行した。
佐藤はキャリア初となる一人二役に「難しい役であることは明らか。ピンチとチャンスが同時に来た!と思いました」と喜びを口にし「俳優は一人二役だとやり過ぎてしまいがち。もしも僕が自由にやっていたら映画はめちゃくちゃになっていたかもしれません。本作は永井監督がさじ加減を示してくれたので良い作品になりました」とまとめた。
悪魔の役に臨むにあたり、佐藤は撮影前に「ティム・バートン監督の作品のように悪魔は全身特殊メイクで」という構想をノリノリで提案するも、永井監督に引かれたことを振り返り、結局残されたのは「指を1,5から2センチ長くすることだけ」と意外な見どころをさわやかな笑顔で披露。
さらに「完成作を観て、主人公と同じ感情の揺れ動きを感じた。意外に思われるかもしれませんが、そういうことはあまりなく、本作が初めてだった」と胸のうちを明かしつつ、「僕のキャリアにとっても勝たなくてはいけない勝負作です!」ときっぱり。仕上がりに絶対の自信を見せた。
そして、映画プロデューサーでもある原作者の川村は、「シリアスとコミカルの両方を演じられる俳優は佐藤(健)君しか思い浮かばなかった」とキャスティングへの関与や「日本映画の弱みはファンタジー描写。ティム・バートン監督やミシェル・ゴンドリー監督のような作品がなかなか誕生しない。自分はバートン監督の恋愛と家族が題材のファンタジー映画『ビッグ・フィッシュ』を想定した」と言及した。
しかし、映像化不可能な小説を書き上げたことから、今回の映画化は新たな解釈を求めつつも自身の感覚と似た方々に委ねたという。広告業界をメーンとする永井監督は、映画畑でない自分に声がかかったことには意味があると受けとめていた。川村によると、満島ひかりのカロリーメイトのコマーシャルが決め手だったそう。
実は、セカチュー(映画『世界の中心で愛を叫ぶ』)や『いま、会いに行きます』の製作陣の再タッグ作。春名プロデューサーは「等価交換により彼自身が気づいていく展開」に翻案した意図を話す。なお、佐藤も猫好き、監督も猫好きということでチャーミングなネコ描写も満載な作品となった。
映画『世界から猫が消えたなら』(東宝配給)は2016年5月14日[土]より全国東宝系にて公開
映画『世界から猫が消えたなら』特報
https://youtu.be/CGZLrzH28DM
映画『世界から猫が消えたなら』特報動画
映画『世界から猫が消えたなら』記者会見のフォトギャラリー
<佐藤健> 映画『せか猫』登場人物に役名がない意図を明かす
公式サイト
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