[シネママニエラ]荻上直子監督の5年振りとなる新作映画『彼らが本気で編むときは、』がクランクインし、主役には「他は考えられない」という監督たっての希望により生田斗真が決定したことが明らかになった。
本作は、荻上監督が見つけた新聞記事「トランスジェンダーの子どもを持つ母親が子どものためにニセ乳を作る」というエピソードをベースにしたオリジナル脚本。
トランスジェンダーのリンコを生田が演じ、育児放棄された子どものトモ役に子役の柿原りんか、リンコの恋人でトモを温かく見守る叔父のマキオ役に桐谷健太という主人公3人の、かたちに囚われない家族の姿を描くという。
「荻上監督の最新作ということで、企画書をいただきました。トランスジェンダーの女性を描いていて、荻上監督独特の、かわいくもあるし、優しくもある温かい脚本で、監督の期待に応えたいという思いが湧きました。監督はとてもサバサバした方で、違ったら違う、よかったらよかったと物事をはっきり言ってくださるので、とても信頼しています。
桐谷さんの存在もとても心強いです。僕のことをたくさん褒めてくれるし、大丈夫、大丈夫って背中をポンと押してくれるんです。もともと(桐谷健太の役名)マキオさんのように器が大きい俳優さんだし、頼りたくなる存在ですね。
撮影に入ってみて、難しい役だと改めて実感していますが、こうした役をいただくことはそうないことですし、全力で取り組んでいます」
「最初はマネージャーから「すごい良い物語だよ。育児放棄した姉の娘を自分で育てていこうと思う青年役だ」と聞きました。
荻上監督作品は、『めがね』や『かもめ食堂』、『トイレット』などを以前観ていて、ホッとしたのを覚えています。脳みそとか腸とか、内臓が休まる感じのイメージがあって(笑)。荻上監督は、自分で本を書いて、自分で監督されているので、説得力が半端じゃないし、演出の指示が的確で、「なるほど、確かにそれがマキオかも!」って思えるんです。監督の演出によって、俺のマキオは余分なところが削がれ、本物の「小川マキオ」になって、転がり出していく感じです。
斗真とも「この映画は俺らのターニングポイントになりそうやね」と話しています。自分にとって何かが凄く変わりそうな作品と感じていますし、今までやったことのない人物像なので、自分自身も凄く楽しみだし、肩の力を抜いてマキオとして監督の世界にちゃんと漂えるようにしたいです!
撮影は映画の現場!って感じで楽しいです!」
「数日前にクランクインしましたが、私にとっても、生田さんや桐谷さんにとっても、転機となる作品だと思っていますし、そうなるように努力しているところです。癒し系、スローライフなどが、私の過去の映画のイメージでした。ならば言いたい。本作『彼らが本気で編むときは、』では、癒やしてなるものか!もはや、生ぬるいものを作る気など一切ありません。この映画は、私の人生においても、映画監督としても、荻上直子、第二部の始まりなのです」
映画『彼らが本気で編むときは、』(スールキートス配給)は2017年2月25日[土]より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国公開
映画『彼らが本気で編むときは、』あらすじ
小学生のトモ(11)は、育児放棄ぎみの母親ヒロミ(40)と二人暮らし。ある日母親が家出をしてしまったため、叔父のマキオ(35)の家に向かう。過去にも同じ経験があったが、今回マキオはリンコ(32)という美しい恋人と暮らしていた。リンコは、元男性でトランスジェンダー。老人ホームで介護士として働いている。リンコの美味しい手料理に、食卓の団らん。母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに戸惑いながらも、三人での奇妙な共同生活が始まった。
公式サイト http://kareamu.com/
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