[シネママニエラ]第69回カンヌ国際映画祭で『マネーモンスター』(原題 Money Monster )が5月12日(現地時間)に正式上映され、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジョディ・フォスター監督がカンヌ入りし、公式イベントに参加した。ガラ上映は、同映画祭のメイン劇場で2300席のリュミエール大劇場にて盛大に催された。
ジョディ・フォスターのカンヌ初体験は今から40年前パルム・ドールを受賞した映画『タクシードライバー』で、自身の監督作がカンヌで上映されるのは2011年のメル・ギブソン主演『それでも、愛してる』以来5年ぶり2度目。なお、ジュリア・ロバーツ主演作品がカンヌ映画祭で上映されるのはキャリア初で、この夜がジュリアにとってはカンヌのレッドカーペット初体験となった。
正式上映では上映後、約4分間にわたる盛大なスタンディングオベーションを受け、ジョディ・フォスター監督は涙をこらえた表情を見せ、ジュリア・ロバーツも目に涙を浮かべて初めてのカンヌに感激の様子だった。記者会見での各自のコメントは下記のとおり。
「ジョディは信じられないほど才能のある監督だけでなく、信じられないほど才能ある俳優でもある。だから彼女は俳優たちとどういう風に話すかを心得ているんだ。ジョディは俳優たちが色んなことにチャレンジする安全な場所を作ることに長けているんだ。例えば、すごくかっこ悪いダンスシーンとか。(『マネーモンスター』でジョージ・クルーニーはダンスを披露している)ジョディの仕事の仕方は考えられうる最もプロフェッショナルなやり方だ。俳優でもあり監督でもある人との仕事は、素晴らしい経験だった」
「『マネーモンスター』という映画は人の感情を刺激する作品であり、ニュースとエンターテイメントが混在するもののある種の進化について描いているんだ。そしてそれは大きな問題だね。僕の演じたキャラクターのリー・ゲイツが面白いのは(笑)、コーエン兄弟の演じたキャラクターとも似てるんだが、彼は自分が最も馬鹿げた人間であると気づくまで、自分が最も頭が切れる人間だと信じているところなんだ」
「カンヌに来るのはこれが初めてよ。本当にここはクレイジーね。そして素晴らしいわ。映画の祝典ですもの。すぐ隣には親愛なる友人ジョージがいて、私がどこにでもついて回りたくなるようなジョディがいて。夢が叶ったわ!素晴らしい以外の何ものでもないわ」
「ジョージが脚本を送ってくれて、すごく気に入ったの。そしたら、ジョージが「OK、だったらジョディと話してくれ!」って。ジョディと私は電話で話して、ふたりともとても興奮したわ。それから実際に、TV 局のスタジオやコントロールルームで素晴らしい仕事をすることになったの。すごくハードワークだった。それが映画の中に現れているかわからないけど(笑)、でも私の心の中にはそう刻まれているわ。しかもジョディはそれを知っててくれている。私はただ、いつもジョディにいいところを見せたくて頑張っていたようなものね(笑)」
「カンヌにいるのは特別な時間だわ。初めてここに来たときはまだ12歳だった。(『タクシードライバー』にて)あの頃はもっとカオスだったわ。フォトグラファーがあちこちにいて。長いこと俳優をやってきて、たくさんの映画を作ってきたけれども、俳優としての人生のまさにスタートだった。パルムドールも受賞したの。あれから40年たって、監督としてここカンヌに戻って来られたことは素晴らしく名誉なことだわ。ここは作家主義の映画監督の場所だから。自分が尊敬する素晴らしい映画監督たちとこの場に立てて、ファンタスティックだわ!」
「この映画を好きなところは山ほどあるわ。最も好きなのは、キャラクター同士の関係性よ。パティ(テレビ番組ディレクター)とリー(司会者)、そしてカイルというジャック犯の3人の人生が交錯し、ある午後に人生が一変してしまうような奇妙な関係性よ。監督をしたことのある俳優(ジョージ・クルーニー)と仕事をすることほどラッキーなことはないわ」
映画『マネーモンスター』(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給)は2016年6月10日[金]より全国公開
公式サイト http://www.moneymonster.jp/
[amazonjs asin=”B01ICOOVC8″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”マネーモンスター 【初回生産限定】 Blu-ray”]