「まず、「ジャングル・ブック」を実写化すると聞いて驚きました。実際に映像を見た時に、本当にみずみずしくて、ダイナミックで、とてもリアリティのあるCGでできたジャングルの中の映像や動物たちが、迫力があって美しくて驚きました。ジャングルという世界の掟だったり、愛情だったり、色々なストーリーが含まれていますが、今を生きる私たちに共通する場面がいっぱいあるなと感じました。
今作のテーマのひとつ「生きる力」ですが、わたしの生きていく上での原動力は好奇心と愛ですね。やはり生きてく中でこの二つが無くなったら、もう生きていく価値がないと思うので、好奇心と愛に満たされていれば、どんな世界でも生きていけると思います。結構ワイルドな生活は好きなので、(ジャングルの中でも)意外といけると思いますよ(笑)。主人公モーグリを演じる少年ニール・セディ君は、とても目が美しくて、彼の瞳に映っているジャングルたちもとても素晴らしかったです。そして、とても野性味があって生命力にあふれていて、そしてこう正義感・愛情を持っている姿に感動しました。
私が演じたラクシャは、自分の子供もいながら、人間の子供モーグリもわが子のように育てるというとても愛情深く、本当に正義感のある、包み込むような優しさがある母親オオカミです。強いものとか権力のあるものへの正義感、弱いものを守る正義感は、もしかしたら私と共通する所があるかもしれません。強いものに吼えるというか、そういう所は若干あるので共通しているかなとも思います。実際、私も1人の娘がおりますし、博愛的な愛情を日常の中で注いでいる毎日なので、そういう意味ではラクシャの愛の深さは理解できました。
実写吹替え版に初挑戦、それが人間ではなくオオカミの役ということですが、 「ジャングル・ブック!実写化!絶対やる!!」と、なんかもうホップ!ステップ!ジャンプ!くらいな勢いでためらいはなかったですね。娘と映画館にディズニーの映画を行く観に行きますが、本当に夢があってだけじゃなくて、大人が見てもハッとさせられるような人と人との関わりが描かれているので、特に「ジャングル・ブック」は、私も小さなころから見ていた物語ですから、早く映画館に行って、大画面でまた見させていただきたいです。
ラクシャの元を離れ、知らない世界で様々な出会いや経験を通じてモーグリは成長していきますが、動物とか人間とか関係なく、やはり挑戦・冒険・経験を重ねなければ、人は成長できないと思っています。楽しいという事から学ぶより、辛かったり、高い壁があるところからの方が成長や学習できると思っています。もちろん小さなモーグリをあの大きなジャングルに手放す事はとても勇気がいる事だけれど、結果的にすべて彼の為になるという心の葛藤を持ちながら、惜しみない愛情が生まれたらいいなと思いながら演じました。
声優の方々にはかなわないですが、声優さんにはない自分の特徴だったり、表現方法をフルに活用できればいいなと思ってはいます。でも、表情で言うとラクシャというのはオオカミなので、パッと見た時の表情はかなりワイルドですし、キリリとしているんですけど、その彼女がとても奥深くて愛情あふれる言葉を話す思いがあるから、そのギャップも私の中ではとても面白かったです。
美しくダイナミックな、そして生命力にあふれた映画になっています。私自身も吹替えを担当させていただいて、何度も鳥肌が立ちながら演じました。観に行った方はきっとエネルギーを一杯もらえる映画になっていると思います」
映画『ジャングル・ブック』(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給)は2016年8月11日[木・祝]より全国公開