[シネママニエラ]映画『光のノスタルジア』『真珠のボタン』が昨年、日本の劇場で公開され、大きな話題となったチリの映画監督パトリシオ・グスマンの傑作実録映画『チリの闘い』(原題 La batalla de Chile ―La lucha de un pueblo sin armas )が、製作から約半世紀を経て、ユーロスペースにて公開される。
チリ共和国を知る!映画『光のノスタルジア』と『真珠のボタン』作品情報・予告編
映画『チリの闘い』は三部構成「第1部 ブルジョワジーの叛乱(1975)96分」「第2部 クーデター(1976)88分」「第3部 民衆の力(1978)79分」のドキュメンタリー映画で、総尺は4時間23分! チリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録している。
東西冷戦期の1970年に、チリでは選挙により世界初の社会主義政権が誕生。サルバドール・アジェンデが大統領に就任し、世界の注目を集めた。そして1973年9月11日、陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍ら軍部が米国CIAの支援を受け、軍事クーデターを起こす。アジェンデは自殺。以後、チリはピノチェトを中心にした軍事独裁政権下に置かれた。
映画監督クリス・マルケルやキューバ映画芸術産業庁(ICAIC)の支援を得てこの「映画史上最高のドキュメンタリー映画」とも言われる作品。
公開を記念し、アテネ・フランセ文化センターで8月にパトリシオ・グスマン監督特集が組まれるという。
映画『チリの闘い』特報映像
©1975, 1976, 1978 Patricio Guzmán
映画『チリの闘い』(アイ・ヴィー・シー配給)は2016年9月よりユーロスペースにて公開
公式サイト http://www.ivc-tokyo.co.jp/chile-tatakai/