[シネママニエラ]俳優の綾野剛が6月28日(現地時間)、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のライジングスター賞を受賞し、ニューヨークは初という綾野がリンカーンセンターにて催された授賞式に出席した。
綾野剛「映画『日本で一番悪い奴ら』は何を犠牲にしても出演するべき作品」
綾野は、映画『凶悪』の白石和彌監督の待望の最新作『日本で一番悪い奴ら』で主演をつとめており、本映画祭には監督とともに参加。同作はオープニング作品として上映されている。その際、白石監督は綾野を「ビッグスター!」と満席の会場に紹介し、「映画の中でたくさん悪いことをしていますが、そのおかげで、この作品とライジング・スター賞を授賞した綾野剛がこの場います」と話して会場を沸かせた。
ニューヨークは初という綾野は英語で「会場の皆様、本日はご来場頂きありがとうございます。ニューヨーク、最高です!」と挨拶。受賞を「非常に光栄な賞を頂き、大変嬉しく思っております」と素直に喜びを表現しつつも「私個人が、この賞を受賞したとは考えておりません。この『日本で一番悪い奴ら』という作品が評価され、私が代表として、今日この賞を頂いたのだと思っております。この作品に、白石監督に、そして本日この場にお越しくださった会場の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました」と謙虚に話す。
日本警察史上最大の不祥事と呼ばれる事件を題材にした本作ではあるが、エンタメ性の高さと、現実離れしたキャラクターと物語の展開により上映中は絶えず笑いが起こった。後半では、悪に染まった綾野扮する諸星と同調するように観客は物語に引き込まれている様子が伺えた。
綾野は「一人の男の26年間を演じるにあたり、その時代に応じて体重を10キロの増減をさせました。これは肉体的にはハードでした。特に自分より年齢が上の時代を演じる際は、顔をむくませるために顔にウィスキーを塗ったり、加齢臭を纏う方法はないかと歯垢を蓄えるなど、思いつく限りのことをすべてしようと思っていました」と役作りを振り返り、さらに「大変栄誉ある賞をいただきまして、感謝しかありません。今回、ニューヨークにきて、たくさんのパワーをいただきました。エンターテイメントのありとあらゆる可能性に満ちあふれていて、この地で体感したことを自らの糧にして、今後の作品にも活かしていきたいと考えています」と決意を新たに、充実の表情を見せた。
第15回ニューヨーク・アジア映画祭は2016年6月22日より7月9日(現地日程)まで開催
映画『日本で一番悪い奴ら』(東映=日活配給)は公開中
公式サイト http://www.nichiwaru.com/
ニューヨーク・アジア映画祭 New York Asian Film Festival(略=NYAFF)
北米有数のアジア映画祭。2016年6月22日〜7月9日(現地日程)開催。これまでのライジングスター賞(2013年まで “Rising Star Award” 、 2014年以降は “Screen International Rising Star Award” )を受賞者した日本人は映画『ミロクローゼ』の山田孝之(第10回、2011年開催)、映画『モテキ』の長澤まさみ(第11回、2012年開催)、映画『私の男』の二階堂ふみ(第13回、2014年)、映画『さよなら歌舞伎町』『TOKYO TRIBE』の染谷将太(第14回、2015年)がいる。