[シネママニエラ]俳優のデンゼル・ワシントンが9月8日(現地時間)、第41回トロント国際映画祭オープニング作品で主演映画『マグニフィセント・セブン』がワールド・プレミア上映されることにあわせ、共演のクリス・プラットやアントワーン・フークア監督らと共に参加した。
トロント国際映画祭が開幕!デンゼル・ワシントンら七人の侍に大歓声
黒澤明監督の名作『七人の侍』と、その翻案作ジョン・スタージェス監督の傑作『荒野の七人』を原案とする本作。アントワーン・フークア監督は「『七人の侍』も『荒野の七人』も普遍的な作品だ。他人の正義のために全力を尽くす話だ。格差社会など現代に通じる要素も持っている。今の時代に合ったウェスタンを創った」と話す。
本映画祭は、北米最大の映画祭であり、過去10年で観客賞を獲得した主な作品には『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『世界にひとつのプレイブック』『それでも夜は明ける』『ルーム』など、近年の賞レースの行方を左右する場となっている。
また、現在開催中のヴェネツィア国際映画祭でクロージング作品として9月10日(現地時間)に本作はヨーロッパに凱旋。そして9月23日には全米公開。待望の日本公開は、2017年1月27日だ。
黒澤は師(マスター)だ。シェークスピアみたいな人だ。彼がもし生きていたら、この作品を観るのをたのしみにしてくれたはずと僕は信じている。『七人の侍』も『荒野の七人』もキャラクター重視の映画で、多彩な登場人物たちが他人のために力を合わせるところに意味がある。そこが一番大事だ。もう一つ一番大事なのは『七人の侍』のDNAを守ること。7人の男が集まって正しいことをする。今回は過去の2本に比べ、もっと過激かもしれないが、今の時代の人が共感できる部分もあると思う。昔のウェスタンも時代につれて変化したが、僕らが今の生きている時代のウェスタンを創ったんだ。
『荒野の七人』を観るのを避けていたわけではないが、演じる上でプラスになるとも思わなかった。他の人がどう演じたかを気にせず、自分が演じたいことを自由にできることが重要だった。今回はストーリーも脚本も良かったが、出演を決めたのはアントワーン・フークア監督だからだ。
今回の役は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のピーター・クイルより、ずっと深い。アウトローが魂の中に何を抱えているかを描いていて、とてもリアルなキャラクターだ。世の中に何本映画があるか判らないが、過去の映画に似ているものもあるだろう。僕らは、(過去にあった)タイトルを使い、ストーリーを使い、この7人を使い、そして違った映画を創った。
(共演の)イーサン・ホークとは仲が良いという設定もあり、セットでよく話しをした。イーサンから彼の書いた3冊の本をプレゼントしてもらった。僕の妻が彼の大ファンで、セットに来たんだが、あんな幸せそうな顔を観たことはなかった。だから僕はイーサンが大好きだし、大嫌いでもある(笑い)。
第41回トロント国際映画祭は2016年9月18日まで開催
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