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急逝の巨匠アンジェイ・ワイダの遺作『残像』(原題 Powidoki )公開決まる

アンジェイ・ワイダ監督監督の遺作となった映画『残像(原題)』より

[シネママニエラ]10月9日肺不全により急逝したポーランド映画の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の最新作で遺作となった映画『残像』(英題 Afterimage 原題 Powidoki )の日本公開が2017年6月に決まった。

画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ[ Wladyslaw Strzeminski ]の生涯を描いた物語

本作はポーランド人の画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ[ Wladyslaw Strzeminski ]の生涯を描いた物語。トロント国際映画祭マスター部門上映され、2017年アカデミー賞ポーランド代表作品に選ばれている。

ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの作風はアヴァンギャルドなスタイルで有名であり、ロシア出身の芸術家カジミール・マレーヴィチの助手を経て、彫刻家の妻カタジナ・コブロと共にポーランド前衛芸術の地盤を築いたとされる。全作品はウッチ近代美術館に所蔵され、代表作は「海の風景」「ウニズム的コンポジション」。

スターリンのポーランドへ侵略の時期に、彼はその思想で迫害を受け、文化人の全体主義に対するアーティスティックなレジスタンスの象徴とされた。

アンジェイ・ワイダ監督は、「抵抗3部作」で国際的な評価を獲得。ワルシャワ蜂起など史実に材を取った作品を撮り続けた。レジスタンスの体験を基にした『世代』、対ソ連の地下抵抗運動を描いた『地下水道』、第2次大戦前後のポーランド社会の流転を描いた『灰とダイヤモンド』。『鉄の男』は1981年カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した。

映画『残像(英題 Afterimage)』あらすじ

1945年、スターリンがポーランドへと侵略の手を伸ばす中、著名な画家、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキは社会的リアリズムの方針と自身のアートが歩み寄ることを拒否する。そのことから迫害され、大学の教授の椅子から追放され、美術館の壁からも作品は排除された。数名の学生たちの協力を得て彼は党に対して闘いを挑む。
(原題 Powidoki (2016)/ポーランド映画/ポーランド語/カラー/シネスコ/ドルビー5.1ch/DCP/98分)

映画『残像』予告編


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アンジェイ・ワイダ監督監督の遺作となった映画『残像(原題)』より

映画『残像』(アルバトロス・フィルム 配給)は2017年6月10日[土]より岩波ホールほか全国順次公開

2016年10月11日 掲載22:24 タイトルを修正しました
2017年04月09日 更新[予告編動画|公開初日]

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