[シネママニエラ]巨匠クリント・イーストウッドが、ハドソン川の奇跡の知られざる側面を題材に、世界を震わす真実のドラマが日本中で話題となっている。上映時間96分! イーストウッドがこだわったホンモノはこういうことだった。モデルとなった実在の人物も本作について語る。
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近年の映画興行で実写系ドラマ大作が苦戦する中、4週連続で興行収入&動員数共にトップ10圏内にランクインしており、各レビューサイトでも、公開後5週目を迎える今でも好評価を維持し続けている本作で描いているのは、機上の人々が体験した恐ろしい瞬間だけではない。脱出した乗客たちを凍てつく川から救い出すために救助に向かった人々の活動を描く最良の方法は、実際に救助活動に従事した人々をできるだけ多く見つけ出して、本作への出演を交渉することだった。
多くの人々の不屈の精神が奇跡へと導く
当時の映像もふんだんに盛り込まれた、この特別映像には、監督や主演のトム・ハンクスといったキャストだけでなく、サリー機長本人や、ジェフ・スカイルズ副操縦士、ドナ・デント主任客室乗務員、それに当時のNY市警の刑事・巡査、救助に向かったフェリーの船長らのコメントが見られる。
まず、2009年1月15日の事故の様子が映し出され、現在のサリー機長が「突然人生最大の危機が訪れた」と話す。そんなサリーについて、イーストウッド監督は「サリーはあの地域に詳しかったんですよ。ヘリポートやフェリーの位置を把握していたので、彼は誰もがすぐに駆けつけられる最適の場所を選んだ。海の真ん中に落ちるのとはわけが違います。彼は、自分の機に気づいてもらえることを知っていたのです」と、最悪な状況下でありながらも冷静な判断を行っていた背景を明かす。
しかしながら、この判断が彼の人生を変えてしまう。国家運輸安全委員会(NTSB)の調査を強いられるためだ。けれども、サリーは事故調査を行ったことがあり、調査する側とされる側の両方の立場を経験していた為、調査員に対して理解を示す態度をみせる。
サリー役を演じたトム・ハンクスは「川の中に非常に高価な機体が沈んでいる以上、彼らは何が起きたのか正確に知る必要がある。サリーはそれをちゃんと分かっているんです」と代弁して、サリーがいかに人格者であったかを示す。
前述したように実際に救助にあたった、ニューヨーク市警(NYPD)のスキューバ空海救助チームに所属するマイケル・デラニー巡査とロバート・ロドリゲス刑事も撮影に参加した。撮影中、彼ら勇敢なダイバーたちは自分たちの任務としてヘリコプターから飛び降りたのだが、実際の緊急事態だと自然にアドレナリンが噴出していたことに気付く。つまり同じ行動でも、映画用におこなうと救助活動がいかにとんでもないことかを実感した、と彼らは語った。
空中及び、水中で救助活動を行った人々、そして、赤十字スタッフ、ボランティアたちが現場に戻り、当時の自身の英雄的な行動を再現。つまり、あのいい結果に導いたのは、一人の迅速な行動だけではなく、多くの人々の不屈の精神だったということ。本編鑑賞前後に、こちらの動画を見れば、なるほど!と思うことうけあいだ。
映画『ハドソン川の奇跡』がリアルな理由
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映画『ハドソン川の奇跡』(ワーナー・ブラザース映画配給)は2016年9月24日[土]より新宿ピカデリー 丸の内ピカデリーほか全国公開中
公式サイト http://www.hudson-kiseki.jp
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