[シネママニエラ]俳優の永瀬正敏が主演し、河瀨直美監督と映画『光』で再タッグを組むことが明らかになった。ふたりは映画『あん』で初タッグを組み、同作は誉ある第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門のオープニングで上映された。※本人コメント全文掲載
永瀬は本作で、カメラマンを生業とする弱視の主人公・雅哉を演じ、葛藤の中で希望の光を求めさまよう姿を見せていく。相手役となるヒロイン・美佐子役は新進女優の水崎綾女で、河瀨監督に見出された。水崎は、バリアフリー映画の音声ガイドという職に生きる意味を見出していく女性を演じる。
映画『光』あらすじ
映画という、もうひとつの人生を観客と共有するべく音声ガイドの制作にたずさわる美佐子。視覚障碍者向け映画のモニター会で弱視のカメラマン、雅哉と出逢う。映画の光に導かれるように二人は音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返しながらも、互いの心をゆっくりと通わせていく。
撮影の20日前には奈良に入り、実際の雅哉のマンションで暮らし始めました。スタッフの方と雅哉の部屋をつくるのに1週間の時間を費やし、部屋の写真は全て自分が撮りだめてきた未発表のものを使用しました。視覚障碍を持つ4〜5人の方とお会いしその生活を拝見させて頂いたり、自分自身で出来る事としては、決められたコースを目をつぶって歩く事を繰り返したりしながら、準備をしました。雅哉の部屋を含めて、他のロケセットでも光の入る時間や光の向きが計算されつくしていると思います。自然光の時間に合わせて、撮影をしていると言っても過言ではなく、この映画ならではのシーンになっている筈です。
実はオーディションの時、台本を2ページしか読ませてもらえなかったのですが、自分の好きなタイプの作品だと確信しました。撮影が始まっても、私だけ脚本をもらえていないのですが、24時間、美佐子として生活する事で不思議とすんなり台詞が出てくるのです。ストーリーの先が分からない分、予想がつかないけれど順撮りをしているので美佐子の気持ちがどんどん積み重なっていくという初めての経験をしています。
この役を頂くまでディスクライバー(映画の音声ガイドの原稿制作者)という仕事がある事も知りませんでした。撮影に入る前、『あん』の音声ガイドを自分で作り、実際に視覚障碍者の方々の前で発表した時に、全く情景が伝わらないとボロクソに言われ、心から悔しい思いをしました。実際の撮影で使う音声ガイドの原稿も、自分で書かなければならないので、撮影が始まった今も毎日、美佐子の苦労と喜びをリアルに感じています。
(物語の着想は)映画『あん』で初めて音声ガイドをつくった時に原稿確認をしたのですが、音声ガイドそのものが、表現として素晴らしいものだと思いました。原稿を作られた方が、監督以上に作品の事を考えてくれる、同志のように感じられたのです。昨年のカンヌの頃から、音声ガイドの製作をする方を主人公にした作品を作りたい、と考えるようになりました。
(カメラマン役は当て書き?)永瀬さんとは、『あん』でカンヌへ行った時から、また一緒に映画を作りたいですね、と話していました。実際に、永瀬さんのカメラマンとして活躍ぶりを見てきたので、今回の役柄は彼しかいないと思っていました。
(ヒロインは?)何人も何度もオーディションをして水崎さんに決定しました。感情をそのまま素直に出す所が、美佐子の役柄に合っていると感じたのです。
映画『光』特報映像
©2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE
映画『光』(組画 制作、キノフィルムズ 配給)は2017年5月27日[土]より全国公開
映画『光』公式サイト
公式SNS Twitter | Instagram | facebook
2016年10月31日 掲載
2017年03月09日 更新[特報映像|初日|公式サイト]
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