LA批評家協会賞が発表され、マーティン・スコセッシ監督の最新作『沈黙−サイレンス−』に出演した俳優・イッセー尾形による長崎奉行の井上筑後守役の演技を高く評価した。
LA批評家協会賞[ Los Angeles Film Critics Association ]の助演男優賞に輝いたのは、映画『MOONLIGHT / ムーンライト(原題)』のマハーシャラ・アリ。そのRUNNER-UP(次点)として映画『沈黙-サイレンス-』のイッセー尾形が選出されている。
イッセー尾形は本作で激しいキリシタン弾圧を推し進める井上筑後守を演じた。危険人物と噂されながら、物腰柔らかなそぶりで宣教師のロドリゴに棄教を迫り、追い詰める狡猾なキャラクターだ。ロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールドも「ヘビ使いと一緒の部屋にいたようなものだ。あなたはヘビであり、同時に食べられてしまう人でもあった」と称賛する。
今回解禁された場面写真は、山中で囚われた隠れキリシタンとロドリゴの前に現れ、「転べ」と迫る井上の姿をとらえたシーンだ。猛暑と土埃に閉口しながら、手にした扇子で顔にまとわりつくハエを払っている様子。
12月4日(現地時間)にはスコセッシ監督をはじめ、主演のアンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソンとともにイッセー尾形もニューヨークで開催された本作の試写会と会見に出席。監督は「井上のキャラクターは、既にオーディションの時に出来上がっていたと語った。扇子捌き、蠅をピシャリと打つ動作、口の中の埃、彼が意気消沈する瞬間―私たちは皆、お互いに顔を見合わせて『オーケー』と言ったんだ」と改めて話す。監督は来日時にも日本人キャストの演技に大満足だと振り返っていた。
なお、11月下旬には、スコセッシ監督がローマ教皇フランシスコと謁見のニュースも。長崎の隠れキリシタンが250年にもわたる弾圧の中守りぬいた17世紀の聖母画「雪のサンタマリア」(日本二十六聖人館蔵)の写真を贈ると、イエズス会派の教皇は「沈黙」を読んだことがあると話し、全世界の注目を集めた。
同作はナショナル・ボード・オブ・レビューでトップ10作品と脚色賞に輝いており、今後の賞レースにも名を連ねていくに違いない。
映画『沈黙-サイレンス-』予告編
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映画『沈黙-サイレンス-』(KADOKAWA配給)は2017年1月21日[土]より全国公開
映画『沈黙-サイレンス-』公式サイト
ロサンゼルス映画批評家協会賞
映画『沈黙-サイレンス-』(原題 Silence)
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