スタジオジブリ出身の米林宏昌監督が、最新作『メアリと魔女の花』をジブリを受け継ぐべく新設されたスタジオポノックにて製作する。メアリー・スチュアート著の原作「メアリと魔女の花」(原題 The Little Broomstick)をベースとした同作について米林監督、西村義明プロデューサーが語った。
米林監督は、ジブリ時代には『借りぐらしのアリエッティ』の初監督に抜擢され、次に『思い出のマーニー』を手掛けて第88回米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされた実力派。本作『メアリと魔女の花』は監督として3作品目となる。そしてスタジオポノックの西村プロデューサーは、ジブリ時代に高畑勲監督の『かぐや姫の物語』、『思い出のマーニー』を製作。本作『メアリと魔女の花』が製作3作目となる。
メアリと魔女の花、企画背景について
まず企画スタートの背景を西村プロデューサーが説明。
「米林監督と『思い出のマーニー』完成の打ち上げの後で、二人でバーで話をしまして。そこで酔う前に「麻呂さん(=米林監督のこと)、もう1本映画を作りたいですか?」と質問しました。長編映画を作ると体力も神経もすり減るので当時の米林監督は、ボロボロの状態だったはず。でも「作りたいです」と返ってきたんです。とはいえ制作部門は解散したのでジブリでは作れない。「じゃあ、麻呂さんが作りたくて僕をプロデューサーに選ぶなら僕は現場を作ります。もし僕を選ばないのなら知人に優秀なプロデューサーがいますから紹介します」と言いました。すると麻呂さんは「西村さんとやりたい!」と言ってくれました」。
そして高畑勲監督、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーが作ってきたのは快楽や面白いだけではなくて、何を見せ、何を伝え何を作るべきか?と。責任が生じるという覚悟を持ち作品をつくり続けているのがスタジオジブリ、ということに改めて意識したのはアカデミー賞ノミネート監督との交流談にあったことも披露。ジブリの血を引いた作品を創り続けるためにも一番厳しいかもしれない道を選び、新スタジオを設立していたのだ。
米林監督は魔女という題材について、「もらった時は「え?」と思ったけれど、原作を読んだら面白い話でした。これを基にして今までとは違う、全く新しい形のアニメーションができるんじゃないか?と」感じたという。そして「『思い出のマーニー』は僕自身すごく好きな作品で、これで終わってもいいと思っていました。でも、もう1本作るのであれば全然違う作品を作って皆さんのイメージを裏切りたいという思いもあって。『思い出のマーニー』は”静”の作品ですが、”動”の作品を作りたいと。マーニーが心の中を描いているので、今回は主人公の女の子メアリは躍動的で、自分の意志で動き回るものにしたいと思いました。『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』同様に一人の少女のそばに立ちつつ、観てくださった人にそっと寄り添って、少し背を押せるような作品を作りたいと思います。皆さんに楽しんでもらえるように頑張っています」。
メアリー・スチュアート著の原作「メアリと魔女の花」(原題:The Little Broomstick)はKADOKAWA刊より新訳される予定。
映画『メアリと魔女の花』特報
©2017「メアリと魔女の花」製作委員会
映画『メアリと魔女の花』(東宝配給)2017年夏より公開→7月8日より公開
映画『メアリと魔女の花』公式サイト http://www.maryflower.jp
公式SNS 映画『メアリと魔女の花』Twitter | Instagram | facebook
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