『告白』『少女』「リバース」など、数々のヒット作を生み出すミステリー作家、湊かなえの「望郷」の実写映画化が決まり特報映像が届いた。主演には貫地谷しほり、大東駿介を迎え、さらに木村多江、緒形直人などの実力派俳優が名を連ねる。
原作の「望郷」は日本推理作家協会賞受賞作品で、全六編で構成される連作短篇集。この中より、「夢の国」「光の航路」をこの度映画化する。監督は、第36回モントリオール世界映画祭にて正式出品された『ディアーディアー』でデビューを飾り、第29回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門正式出品作『ハローグッバイ』などを手がけた菊地健雄。本作が長編監督作の3作目。全編因島を中心とした瀬戸内地方にて撮影された映像に「直接見るよりも、カメラ越しに見た海の方がハッとさせられる景色」と湊が唸るほど、その手腕を光らせているという。貫地谷と大東は過去に、湊かなえ原作『白ゆき姫殺人事件』でも共演した。
貫地谷は本作で「夢の国」で、古いしきたりに縛られ窮屈な生活を送る中、ある事件を引き起こしてしまう夢都子を演じ、4年ぶりに映画主演を務めた。
「自分の中でとても大切な作品なので凄く嬉しいです。誰しも何かに憧れ、生きるという事への窮屈さをどこかに持っているのではないでしょうか。今まで演じた事のない役を菊地監督が繊細に導いてくださいました。親子の秘密、解放される事のない罪、それでも明日に向かっていく人たちを是非見て欲しいと思います」とコメント。
そして大東は、「光の航路」では、故郷の島で中学校の教師を務め、クラスに生じるいじめ問題に悩んでいる間、過去に確執を抱えたまま死別した父の本当の思いを知る事になる航を演じた。
「湊かなえさんの故郷であり、物語の舞台のモデルでもある因島で撮影でき、島の空気を感じながら島の方々とこの作品を作れた時間は財産であり貴重な経験でした。島での濃密な撮影の中で、スタッフの皆さんとこの作品で全国の劇場を開けたいと語り合っていた想いがカタチになり嬉しいです。自分がいつから大人になったのか、なっているのかわかりませんが、どれだけ時間を重ねても自分の物語の始まりはあの故郷で。改めて自分の故郷と向き合い、自分と向き合えるような作品だと思います。是非ご覧ください」と意気込む
夢都子の話す“十字架”の言い伝え、さらに、「あの時十字架を見つけていたら、何か違ってたのかな」と語る航の言葉の真意とは。それぞれの親子に訪れる悲しくも愛のある物語。原作者の湊かなえも「日本は島国なので、後ろに海が見える物語というのは、誰にでも伝わるものがあると思います。自分が海に囲まれたところに住んでいるという想像をしながらこの物語を観ていただくと、本当に自分の人生の物語として観ていただけるものがあると思います」とコメントを寄せる。
映画『望郷』あらすじ
古いしきたりを重んじる家庭に育った夢都子(貫地谷しほり)は、故郷に縛られ生活をしていた。彼女は幼いころから本土にある“ドリームランド”が自由の象徴であったが、それは祖母や母(木村多江)の間で決して叶わない“自由”であった。月日は流れ結婚をし、幸せな家庭を築く中、ドリームランドが今年で閉園になる話しを耳にする。憧れの場所がなくなる前に、彼女がずっと思い続けてきた事を語り始める―。一方、本土から転任の為9年ぶりに故郷に戻った航(大東駿介)のもとには、ある日、父(緒形直人)の教え子と名乗る畑野が訪問してくる。彼は、航が知らなかった父の姿を語り出し、本当の父親を誤解していた事を知る事となるが。(2017年/日本映画/COLOR / 1:1.85 / 5.1ch / 112分)
映画『望郷』特報
映画『望郷』(エイベックス・デジタル 配給)は2017年9月16日[土]より新宿武蔵野館ほか全国公開
映画『望郷』公式サイトhttp://bokyo.jp/
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