ディズニー/ピクサーのリー・アンクリッチ監督、エイドリアン・モリーナ共同監督が来日し映画『リメンバー・ミー』について「祖先を忘れないことをテーマに心に響く物語を目指した」などと語った。特に楽曲が大きな役割を担っていたことも明かされた。第90回アカデミー賞授賞式の結果を持って内容を更新しました。
リー監督は「人々の身近でシンプルな心を打つ物語にすることに力を注いだ。世界中に異なる文化があるなかで、皆さまが本作を受け入れてくださったことに感謝しています」と語る。
本作はピクサー史上初の音楽をテーマに作られたという物語。アカデミー賞歌曲賞を受賞した楽曲「リメンバー・ミー」は、主人公ミゲルが大好きな曲。
エイドリアン共同監督は「脚本の最初の段階で、楽曲の大切さが検討された。誰がどこで、どう歌うのか、意味が異なるから。(完成した楽曲を)初めて聞いたとき、その美しい音色に魅了されて以来、その響きが物語の展開にも影響を与えていきました」と話す。本作のキャッチコピーは「それは、時を越えて―家族をつなぐ、奇跡の歌。」。その奇跡の歌こそ「リメンバー・ミー」のことで、この楽曲は死者の国に迷い込んでしまったミゲルと大切な家族をつなぐ、ある秘密が隠されている。この楽曲は、映画『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」(英 Let It Go )の作曲家クリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペスが書き下ろした。
記者から「物語に自身の体験が?」と問われ、エイドリアン共同監督は「僕の母はメキシコ人ですから個人的には伝統の継承だとか家族との関係性は重なる点があります」と返答。続けて、リー監督が述懐する。「父が高齢なので、本作を映画館で鑑賞できるのか心配でした。そこで、映画の完成後に父の家に一週間ぐらい滞在したんです。その時に僕の人生50年にして、初めて父の人生の物語を聞くことができたんです。その際にノートパソコンを持参して、本作を見てもらうことができまして、その数日後に父は息を引き取りました。今年の「死者の日」には(メキシコ式祭壇の)オフレンダに、父親の写真を飾ろうと思っています」と。
物語の舞台や文化はメキシカンだが、日本はお盆があるので、劇中の死者の日という設定には理解しやすく馴染みやすいストーリーだと思える。また、一目見たら心を奪われること必至な作品だけに、春休みの映画鑑賞にはぜひ候補にしてもらいたい。なお、本作が第90回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したことを最後に申し添えておく。
映画『リメンバー・ミー』(ウォルト・ディズニー・ジャパン 配給)は2018年3月16日[金]より全国公開
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リメンバー・ミー(原題 COCO) – 映画予告編・作品情報