俳優の堤真一と柳楽優弥、女優の川栄李奈が共演し重松 清著の短編集「せんせい。」所収の「泣くな赤鬼」が映画化されることが発表となり、各自が意気込みを語った。監督は映画『キセキ-あの日のソビト-』の兼重淳。
ベストセラー作家・重松清著の短編集「せんせい。」所収の「泣くな赤鬼」をベースに映画化する本作は、教師と生徒の関係を描き続けてきたなかでも“特に教師濃度の高い作品集”。時を経た今だからこそ、わかり分かり合える教師と生徒の、深く胸に染みいる感動作。重松作品は、これまでに『ビタミンF』『とんび』『その日のまえに』『流星ワゴン』など多数が映像化されてきた。
本作で主人公・赤鬼先生に扮するのは、日本を代表する俳優・堤真一。『とんび』に続く重松清とのコラボレーションとなる。赤鬼先生の元教え子・ゴルゴに柳楽優弥。がんで余命半年という難しい役どころに挑戦する。ゴルゴを献身的に支える妻・雪乃に若手注目女優・川栄李奈。撮影は群馬県高崎市近辺にて来月8月に実施予定。公開は2019年
堤真一×柳楽優弥×川栄李奈『泣くな赤鬼』出演を語る
重松清さん原作の映像化は、ドラマ「とんび」以来2作目です。重松作品の読み物としての面白さはもちろんですが、この作品には、映像化によって、物語の奥にあるものを小説とは違った形で引き出し、膨らませることができる…、そんな可能性を強く感じました。
野球部監督と一生徒の関係が丁寧に描かれていますが、どこか親子にも通じるような、人と人との関わりについて深く考えさせられる作品です。僕が演じる野球部の監督は、熱気に満ち溢れた現役監督時代の姿と、時を経て、元生徒と再会したときの疲労感が漂う姿の二面があります。そんな過去と現在の二面性を、決して表面的につくるのではなく、佇まいの違いで表現できればと思っています。この作品に触れて、今、自分の学生時代の思い出が鮮明に蘇ってきています。やはり先生と生徒との繋がりは、たとえ頻繁に会うことは無くなっても、その記憶は深く残っていますから。まずはバッティングセンターへ行こうかな(笑)。 是非、ご期待いただきたい作品です。
堤真一さんが主演される作品に参加させて頂けるという事がとても嬉しいです。自分の学生時代と状況は違いますが、先生と生徒の関係性に感情移入しながら一気に読み終えました。本当に感動しました。監督とクランクアップまでしっかりと話し合いながら、斎藤智之という役を丁寧に作り上げていきたいと思っています。この原作の素晴らしさをしっかりと伝えられるように頑張ります。是非楽しみにしていて下さい。
最初お話を頂いた時、詳細な内容はまだ知らなかったのですが、決定されているキャストの名前をお伺いして、早く撮影したい!という気持ちになりました。タイトルは「泣くな赤鬼」ですが原作を読んだだけで涙が出ました。これを堤さんや柳楽さんと一緒に作品作りができると思うと、経験豊富なお二人に必死に食らいついていこうと思っています。雪乃は病に侵される夫を献身的に支え、子供には弱さを見せない力強い妻であり、母です。夫役の柳楽さんは以前共演したときのお芝居が魅力的で忘れられません。今回また夫婦役で共演できると聞き、柳楽さんがどんな空気感を作ってくれるのか私もそれを支える奥さんでいられるように頑張りたいと思います。重松清さんの作品に関われることがすごく嬉しいです。素晴らしい役者さん達と共に頑張りたいと思います。この作品は涙なしでは見られないと思います。原作の短編集がどんな長編ストーリーになるのか楽しみにしていてください。
いままで書いてきた「教師と生徒」のお話の中で、特に愛着のある作品です。堤真一さん、柳楽優弥さん、川栄李奈さんたちが、兼重淳監督のタクトで物語にどんな温もりを与えてくれるのか、楽しみにしています。
堤真⼀さん、柳楽優弥さん、川栄李奈さんという素晴らしいキャスト、素晴らしいスタッフと共に作品作りができることを、とても光栄に思います。厳しくすることでしか生徒と向き合えなかった「せんせい」と、大人になったかつての教え子の物語を、⼼を込めて作ります。
景仰する重松作品の中でも最も心打たれ感涙した名著「泣くな赤鬼」を拝読してから約7年、そして企画開発を始めて4年目の今夏、満を持して映画化が実現されることとなりました。重松作品は近年数多くドラマや映画化がされてきましたが、本作のように短編の映画化は珍しく、この感動がギュッと詰まった名作を映画として成立させるために、脚本は新鋭の上平満さんが原作のディテールの魅力を損なうことなく丁寧に再構築してくれました。結果素晴らしい脚本が出来上がり映画企画としての「泣くな赤鬼」が本格的に始動することとなった次第です。当然ながら紆余曲折はありましたが原作の良質で素直に泣ける感動のストーリーに共鳴頂いた多くの皆様の熱い想いが結集して叶えられた賜物と心から感謝申し上げます。
主人公の赤鬼先生には、独特で確かな存在感と役柄を見事に演じ分ける演技派の名優、堤 真一さん。武骨だけれど人間味溢れる赤鬼役は堤さんをおいては考えられませんでした。ご快諾頂いた時の喜びと興奮は今でも忘れることは出来ません。元教え子との再会から始まる後悔と苦悩、そして悲しい別れ…堤さん演ずる赤鬼を想像するだけで胸に込み上げてくるものがあります。元教え子のゴルゴ役には『エデンの東』のジェームス・ディーンのようなイメージがあり、真っ先に思い浮かんだのが、若手ナンバーワン俳優の呼び声の高い柳楽優弥さんでした。どこか危なげで切ない難しい役柄ですが真摯に向き合う姿勢を拝見してこれこそが“ゴルゴ”そのものになる証なのだと感激しました。ゴルゴの妻・雪乃役には、各分野で大活躍の演技派女優、川栄李奈さん。川栄さんの愛らしさはまるで雪乃そのものであり、川栄さんにしか演じられないと関係者の誰もが願うキャスティングになりました。余命短い夫に寄り添う健気な若妻をどのように演じてくださるか今からとても楽しみにしています。柳楽さんとの初々しいカップリングにも是非ご注目下さい。
本作は日本中で苦しい状況に苛まれている人たちやまた頑張っている人たちに真心を籠めて贈る応援歌でもあります。またこの時代だからこそ映画化すべき意味のある作品であると確信しています。堤さん、柳楽さん、川栄さんという奇跡のようなキャスティングと熟練した兼重監督の采配により世代を超えて全て人の胸に響く感動作をお届けいたします。ご期待下さい。
映画『泣くな赤鬼』(KADOKAWA配給)は2019年公開予定 → 2019年6月14日[金]より全国公開
© 2019「泣くな赤鬼」製作委員会
映画『泣くな赤鬼』あらすじ
城南工業野球部監督・小渕隆(堤 真一)は、陽に焼けた赤い顔と鬼のような熱血指導で「赤鬼」と呼ばれていた。その厳しさで、甲子園出場一歩手前までいきながらも、その夢は一度として叶わぬまま、10年の月日が流れ、今では野球への情熱は衰え、定年間際の疲れた中年になっていた。ある日、かつての教え子・斎藤智之(愛称ゴルゴ)と偶然、病院で再会する。野球の素質はあるものの、堪え性のない性格ゆえに挫折し、高校を中退したゴルゴだったが、結婚して家庭を築き、立派な大人に成長していた。そのゴルゴが、末期がんで余命半年であることを知らされる。あの時、かけてやれなかった言葉、厳しくすることでしか教え子に向き合えなかったあの頃の後悔。赤鬼は、ゴルゴのために最後に何ができるのか。
堤真一「赤鬼先生役は中学野球部の監督をモデルにした」
映画『泣くな赤鬼』公式サイト akaoni-movie.jp
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