女優の土屋太鳳と芳根京子が8月22日、W主演する映画『累-かさね-』の完成披露試写会に出席し、一人二役、二人一役という難役に臨んだ想いと作品の内容にちなみ、自身のもつ優越感と劣等感について語った。このイベントには横山裕(関ジャニ∞)、檀れい、浅野忠信、佐藤祐市監督も来場した。
松浦だるま著「累」(講談社「イブニング」KC刊)をベースに「美しさ」に翻弄される卑屈で愚かな人間の業を、『ストロベリーナイト』や『キサラギ』を手掛けた佐藤祐市監督が描くサスペンススリラー。母ゆずりの“天才的な演技力”を持つ累(芳根)と、“恵まれた美しさ”を持つニナ(土屋)。運命に導かれるように出会い、“美貌”と“才能”という、お互いの欲望が一致した二人は、口紅の力を使って顔を入れ替える決断をする。第18回ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭インターナショナルコンペティション部門に出品し観客賞を受賞した。
土屋は「自分に生きる価値があるのかどうか、それを確かめたい人の物語だと捉えました。でも、それは私だけではなく、ご来場の皆さんの中にも思いを抱えている人がいると思います。作品を通して、愛を感じてもらえたら」と作品への思いを語り、また「絶世の美人で演技の天才を演じるという役の持つ威力がすご過ぎて押しつぶされました。でも、素晴らしい共演者の皆さんに支えられて乗り越えました」と笑顔を見せた。
「共演者の支え」の例として、「浅野さんに相談したら『僕が(二ノや累を)演じたいよ!二人でノートを作るといいよ』というアドバイスをいただき、すぐにコンビニでノートを買って、二人で書き込みをしました」と真摯な役作りを振り返った。すると、浅野は「僕は女性ではないのでこの役は演じられない、それが悔しくもありうらやましくもあった。調子に乗って言ったことだと思います」と、照れ隠しもあってか神妙に語る。
一方、「(前述のノートの)分量は2ページ…細かい字でびっしり書き尽くした」と包み隠さずに語る芳根。しかも、「なかなかできる役ではないので全力で演じた」とこの役にかける熱量を言葉にこめていることが伝わってくる。そして、原作者と同じ場で本作の試写を鑑賞したという。「上映後に私が立ち上がれなくなっていたら前の席に座っていた、だるま先生が手を差し伸べて『累を演じてくれてありがとう』と声をかけてくれたことで、ほっとしたのをうれしかったので大泣きしてしまいました」とプレッシャーから解放された瞬間を明かした。
芳根演じる累の実母で、伝説の女優を演じた檀は、「原作のファンです。佐藤監督は現場で、私の足下にバラの花びらをまいて、心をほぐしてくれました」と監督の粋な計らいに感謝を示す。また、稽古時間があまりない中で舞台「サロメ」のシーンを撮影したそうで、監督は「スタッフ一同、さすが檀さん!」と声があがったことを振り返った。
この日は、作品の内容に絡めて、登壇者の中で「誰の顔を奪いたい?」という質問が用意された。キャストは顔写真付きのうちわをあげて回答。土屋は浅野を、芳根は檀を、檀は横山を、横山は浅野を、浅野は横山を選択。横山は「相思相愛です!浅野さんの顔になって渋い声で食レポをしてみたい」のだそう。浅野は「関ジャニ∞に入ってキャーキャー言われたい」と願望を語り、ほほえましい笑いが起きた。
土屋太鳳さん
お酒が強いので、強い人を相手に飲む機会を得られること。半目を開けていたりするので寝顔を人に見せられないので私の場合は、少女漫画の寝顔にキュンは起こりえない。
芳根京子さん
マネージャーにラーメンをごちそうになった時のこと、お店の方が私のラーメンにだけ煮卵をサービスしてくれて優越感を感じ、そのときにマネージャーは劣等感を感じたのではないかなと思いました。
横山裕さん(関ジャニ∞)
ライブの時などに関ジャニ∞すごいなと。撮影の時に(肌の)色の白さで照明さんがザワつくことです。
檀れいさん
スキー、それと中学生の時に自転車の二人乗りが難しくてタイヤの山につっこんだことがあります。優越感は…ありません。
浅野忠信さん
この年になると劣等感しかない。寝起きはもりもりして「シューマイみたい」だと言われたことがあります(笑)。
映画『累-かさね-』(東宝配給)は2018年9月7日[金]より全国公開
映画『累-かさね-』公式サイト http://kasane-movie.jp/
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映画『累-かさね-』完成披露試写会 @東京・イイノホール
出席者=土屋太鳳、芳根京子、横山裕、檀れい、浅野忠信、佐藤祐市監督
映画『累-かさね-』(東宝配給)は2018年9月7日[金]より全国公開