俳優の西島秀俊が4月22日、主演映画『空母いぶき』完成披露試写会に出席。原作者・かわぐちかいじ氏も来場され、「本作は自衛隊本来の任務を描いた初めての日本映画」だと述べる中で、西島は「平和のために戦う人の存在を感じて欲しい」と自衛官らを慮りつつ、作品をアピールした。
物語は近未来の日本を舞台に、国籍不明の武装集団に領土の一部を占領された事態を収束するのために派遣された、自衛隊の航空機搭載型護衛艦・いぶきの乗組員を軸に、国防に注力する人々の24時間が描かれていく。
しかも、豪華キャストで! そのためこの日のイベントには、西島をはじめ、佐々木蔵之介、本田 翼、小倉久寛、髙嶋政宏、玉木 宏、戸次重幸、市原隼人、片桐仁、和田正人、平埜生成、土村 芳、深川麻衣、山内圭哉、中井貴一、村上 淳、吉田栄作、藤 竜也、佐藤浩市、かわぐちかいじ(原作)、福井晴敏(企画)、若松節朗監督という総勢22名が出席した。
西島秀俊 『空母いぶき』で平和のために戦う人を感じて!
空母いぶきの艦長を演じた西島は、「日本もついにここまできたか!というリアルな戦闘シーンと深い人間ドラマで、必ず皆さんが感動する作品になっています」と自信を言葉にした。さらに、「試写を観た関係者の方が『泣けた』と言ってくれます。それは登場人物全員が平和のために戦い、誰一人ブレなかったことなのかなと。作品自体は、手に汗握るエンターテイメント」だと強調する。
空母いぶきの副長役の佐々木は映画化の企画を聞き、「オファーを受けて怖いなと怯みました」と率直に語る。けれどもプロデューサーの「これは戦争映画じゃない、平和のための映画だ!」との説得が効き、覚悟を持って出演したと心境を明かした。
登壇者が22名いるため、MCからは、「持ち時間は一人30から40秒でお願いします」と念押しされて、冒頭の挨拶がなされるも、各自が本作に込めた熱い想いが真摯に語られていく。
それでいて、一流揃いのため来場者を楽しませる話術とイジリもしっかり。例えば、戸次の熱弁に対して、西島が手をクルクルと回して「巻いて!」と茶々を入れて見せ、笑いをもたらす一幕も。佐藤浩市は中井貴一と役柄の総理大臣ネタで盛り上げれば、藤竜也は髙嶋政伸の母親・寿美花代のラストステージ鑑賞でのエピソードから、自身の俳優人生がスタートしたことを振り返り、観客を驚かせた。
作品のネタバレを避けてトークを展開したこの日は、劇中の役に絡めた質問がされた。自衛官役には人生最大の決断は? ジャーナリスト役には24時間何をしてもいいとしたら? 戦闘の場にいないものには平和を感じるときは? というもの。せっかくなので、各自のコメントを概略で紹介する。
西島秀俊:決断ではないが、我が子が誕生し次世代に平和を残せるか強く考えた
佐々木蔵之介:酒造の家業を継がず俳優業を選んだとき。先に風呂かビールかいつも悩む。
戸次重幸:8年前にマンションを購入
平埜生成:8年在籍した劇団を辞めたこと
市原隼人:死ぬまで役者
髙嶋政宏:シルビアと結婚
藤 竜也:57年前、スカウトされ俳優の覚悟した
玉木 宏:上京して21年。16年前にバイトを辞め俳優1本と不退転を覚悟
村上 淳:映画の世界入りor離婚
山内圭哉:3年前に犬を飼った。犬アレルギーの息子の部屋に空気清浄機2台を購入
和田正人:一度就職し25歳で俳優。脱サラ俳優の蔵之介さんを崇拝
小倉久寛:普段から小心者。(迷惑行為などに対して)我慢せず「やめて」と言ってみたい
片桐 仁:(小倉の回答に絡め、解決策として)催眠術で繊細な感覚を鈍らせる
土村 芳:リアル脱出ゲームとVRゲーム
本田 翼:お墓まいり
佐藤浩市:映画を作り、みなさんに見ていただく今この瞬間
吉田栄作:海で浮かぶと心が浄化され落ち着く
深川麻衣:炊飯器の性能について友だちと1時間半話したとき
中井貴一:お花見ニュースを各局やっているのを見たとき
若松監督は、「自衛官の方は今この瞬間も守ってくれています」と感謝をしつつ、「これだけの日本を代表する俳優たちが出ていて、映画がまずかったら僕の責任です」と語れば、福井は「(原作を翻案して)架空の国と戦う話です」と述べ、全力で取り組んだ結果を見てもらいたいと静かに語った。
映画『空母いぶき』(キノフィルムズ 配給)は2019年5月24日[金]より全国公開
©かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ
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映画『空母いぶき』公式サイト http://kuboibuki.jp/
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