映画『ある少年の告白』(原題 BOY ERASED )は、全米で大きな反響を呼んだ衝撃の実話をもとに描かれる作品。ジョエル・エドガートン監督は、その製作の過程で多くの出逢いがあり「受け入れる大切さを知った」と自身の変化を話す。
本作は、アメリカの田舎町を舞台に、自らが同性愛者であることに気づいた青年が、両親によって勧められた同性愛を“治す”矯正セラピーに参加し、葛藤を通しありのままの自分や親子の絆を再発見するまでを描く感動作。
オーストラリア出身の俳優ジョエル・エドガートン。当時、駆け出しながらもSF超大作『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『エピソード3/シスの復讐』でキーパーソンとなるルーク・スカイウォーカーの伯父オーウェン・ラーズ役を実力で勝ち取った。
その後も『ゼロ・ダーク・サーティ』『華麗なるギャツビー』『ブラック・スキャンダル』『レッド・スパロウ』と、ハリウッドの話題作に立て続けに出演。主演を務めた『ラビング 愛という名前のふたり』では、異人種間の結婚が違法とされていた1950年代を舞台に、愛を貫き通すべく戦った実在の夫婦を演じ、ゴールデングローブ賞主演男優賞にもノミネート!実力派ハリウッド俳優として不動の地位を築いている。
そんなエドガートンは、スマッシュヒットを記録した『ザ・ギフト』で監督デビュー。俳優・監督業もどちらもこなすマルチな才能の持ち主だ。本作でも監督のほかに、脚本、製作、出演と役柄は多岐にわたる。当初は、「誰かが映画化をすべきだ」自分がメガホンを取るとは思っていなかったというエドガートン。しかし、脚本を読み進めると、物語が頭から離れなくなり間もなく「脚本の初稿を書き上げていたんだ」と打ち明ける。
ジョエル・エドガートン監督「受け入れる大切さを知った」
ラッセル・クロウ、ニコール・キッドマンのアカデミー賞俳優に、若手実力派俳優の筆頭であるルーカス・ヘッジズを配役した本作。ラッセル・クロウについて「息子を受け入れられない心の葛藤を、彼が愛を持って演じているから共感できる存在となった」と深みのある演技を称賛。
息子のために変わる母親、物語のキーパーソンでもある“ナンシー”を演じたニコール・キッドマンについて「原作者の母親のような、“ガッツがあり、強い意志を秘めた人物”を見事に演じ切った」とその役づくりを讃える。
そして主人公を演じたルーカス・ヘッジズについて「純粋さ、秘めた強さも併せ持っている、感性が豊かな俳優」と続けて、20代前半でありながら「言葉を使わなくても表現することのできる役者」と振れ幅のある演技という彼の魅力を語っている。
映画『ある少年の告白』ジョエル・エドガートン監督インタビュー
©2018 UNERASED FILM, INC.
(2018年/アメリカ映画/115分)
監督・脚本 ジョエル・エドガートン 原作 ガラルド・コンリー 音楽 ダニー・ベンジー、サウンダー・ジュリアンズ 撮影 エドゥアルド・グラウ プロデューサー ケリー・コハンスキー=ロバーツ(p.g.a.)、スティーヴ・ゴリン(p.g.a.)、ジョエル・エドガートン(p.g.a.)|出演 ルーカス・ヘッジズ、ニコール・キッドマン、ラッセル・クロウ、ジョエル・エドガートン、グザヴィエ・ドラン、トロイ・シヴァン
映画『ある少年の告白』(ビターズ・エンド/パルコ 配給)は2019年4月19日[金]よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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