映画『道~白磁の人~』製作会見

『道~白磁の人~』日韓実力派俳優が惚れ込む“100年前の友情”とは?

映画会見/イベントレポート

 7月27日、実在した人物を描く映画『道~白磁の人~』の製作発表記者会見が山梨県立美術館にて行われ、製作総指揮の長坂紘司、原作者の江宮隆之、主演の吉沢悠と共演のペ・スビン、そして高橋伴明監督が登壇した。

映『道~白磁の人~』日韓実力派俳優が惚れ込む“100年前の友情”とは?
吉沢悠、ペ・スビン©小説「白磁の人」映画製作委員会©「道~白磁の人~」製作委員会

本作は、山梨県に生まれ、1914年に韓国に渡り、朝鮮時代の伝統美術・白磁を紹介する傍らで植民地時代の差別と闘った日本人・浅川巧と朝鮮人・李青林(い・ちょんりむ)との友情を描く感動作。浅川氏の生誕120周年にあたる本年、故郷である山梨県北杜(ほくと)市の有志を中心とし、「白磁の人」映画製作委員会(設立2005年1月代表 長坂紘司)が、日韓友好の架け橋とするべく本作の製作を決定した。

メガホンを執るのは、映画『禅 ZEN』『BOX 袴田事件 命とは』の社会派監督、高橋伴明。原作は時代小説作家江宮隆之著「白磁の人」。脚本には、映画『フィッシュストーリー』『ゴールデンスランバー』で注目を集める林民夫。巧の友人、李青林(い・ちょんりむ)役には大ヒット韓国ドラマ「朱蒙 チュモン」「トンイ」のペ・スビン。そして、主演の浅川巧には、映画『逃亡くそたわけ-21才の夏』『孤高のメス』の実力派俳優・吉沢悠。

まずは、製作総指揮の長坂が小説「白磁の人」映画製作委員会の設立からクランクインまでの長い道のりを振り返り「非常に嬉しく思っております。朝鮮に当時このような日本人がいたということに私自身とても深い感銘を受けました。来年の教科書にも載るなど、生誕120周年の今年、浅川巧を再評価する動きが日韓共に高まっております。ここまでこれたこと非常に感謝しております」と、感慨深げに語った。

原作者の江宮は、浅川巧の魅力を聞かれ、「韓国に建てられた浅川巧の石碑には「韓国の山を愛し、韓国人の心の中に生きた日本人、ここ韓国の土となる」と書いてあります。この言葉が彼の事を的確にあらわしていると思います」と語った。

ほぼ9割が韓国での撮影ということでその意気込みを聞かれた高橋監督は、「以前韓国で撮影したことがあるんですが、その時うまくコミュニケーションが取れなくて、今回リベンジのつもりでいい関係を築きたいと思います。私は男の友情者モノが大好きなんですが、本作でも吉沢くんと、ぺさんがこの作品を通して本当の友情を育んでくれれば、本物の作品になると思ってます」と、意気込み満々。

日本映画が初出演だというペは、「監督のリベンジということでプレッシャーはありますが、吉沢さんとは浅川さんの墓参りにもすでに一緒に行っていて、お墓でお祈りをしている吉沢さんを見て、ちょっと感動しました。これから韓国で友情を育もううと思ってます」とコメント。

また、クランクインを間近に控え、主演の吉沢は、「原作を読んで純粋に感動しました。日本人が誇れるような実在の人物を演じることができて光栄に思うと同時にプレッシャーを感じています。ぺさんともすでに共通の趣味もみつけましたし、一緒に頑張ろうとおもいます。韓国の俳優さんを非常に尊敬してますので、お互いに刺激し合えればと思います」と心境を述べた。

あまりなじみのない人物かもしれないが、国内では「浅川巧生誕百二十年記念 浅川伯教・巧兄弟の心と眼-朝鮮時代の美-」といった展覧会も実施されており、今の日本に大切な、人とのつながり、普遍的な人間愛といった大事なことを伝えてくれる作品になりそうだ。

日本公開=2012年6月< 配給=ティ・ジョイ

公式サイト http://hakujinohito.com/
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[2011/1/14邦題『道~白磁の人~』を訂正・追記]

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